グローバル市民社会の構想をめざして
竹中 千春
国際政治とグローバル市民社会の構想」という科目で、現代世界について考えています。最近は、パンデミックと経済危機、ロシアのウクライナ侵攻、トランプ政権による混乱、ハマスのテロとイスラエルの凄惨な攻撃など、深刻な事件を取り上げてきました。地球環境の変化は、異常気象や大規模災害として降りかかっています。しかし、国々や国際社会は問題解決に成功しているようには見えない。不安と恐怖に襲われそうです。
さて、ここで流れを変えましょう!そのコツが「グローバル市民社会の構想」と関連しています。落ち着いて周りを見回し、話し合える人を見つけ、知識や経験を持つ人々の声に耳を傾ける。仲間とともに心と頭を動かします。変えられないものは変えられない、でも、変えられるものは変えられる。大きな世界をすぐに変えられなくても、自分たちの考えや行動は自分たちで変えられます。現実を見据え、発想を転換し、対策を練ります。そして、自分たちを信じて、足元から世の中を変えていきます。
フランス革命と戦争のさなかに、哲学者のカントは『永遠平和のために』(1795年)を著しました。理想論だと言われましたが、その構想に近いものが、20世紀の二つの大戦後に国際連盟や国際連合として実現され、国際平和がめざされました。カントは「啓蒙とは何か」という問いに、「知る勇気を持て」「自分の理性を使う勇気をもて」と答えたそうです。破滅を避け、自由で平和な社会をつくる鍵がここにあります。豊かでしなやかな学びが、明日への希望と勇気の糧となります。暗い時代を照らすために、「グローバル市民社会の構想」の知を一緒に探索しましょう。まさに、カントの後輩として!
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