2025年11月29日、市民モニタリングの第6回「秋の調査」を永石文明先生と共に秋色の森に包まれたさいたま緑の森博物館で実施しました。雨の少ない状況が続き、小川の水量が減少していたため、予定していた「案内所近くのため池+小川」の二地点調査から、ため池のみでの調査へと変更して行いました。

 初めに行う水質調査では、水の流れが少ないせいか透明度は若干低かったのですが、電気伝導度 50µS/cm を記録。湧水レベルの数値で良い水質が保たれていることを確認しました。生物調査では、コシアキトンボ・ヤマサナエ・シオカラトンボのヤゴ、カワニナ、カワヨシノボリ、シマアメンボ、ヌカエビ、シナヌマエビ、アメリカザリガニが確認されました。在来のヌカエビが多く見られましたが、依然として外来のシナヌマエビの方が優占しており、今後も注意を払う必要性が示されました。

 小さな生物をより正確に同定するためには「近距離観察用双眼鏡」を活用します。参加者は双眼鏡をのぞき込みながら、ヤゴの頭部の形や体のつくりの違いを観察。また、ヌカエビとシナヌマエビは「目の位置の違い」に注目し識別します。肉眼ではわからない細部に迫る観察によって、いきものが一層愛おしく見えてきます。「ヤゴを見たのは初めて」と言い、同定作業に夢中となっていた初めての参加の方もいて、みんなでワイワイ言いながらの楽しい調査でした。また、ため池や森は柔らかな秋色に包まれ、いきものを探しながらも、紅葉に染まる景色や柔らかな日差しに季節を感じ、自然の中でゆったりと過ごす豊かなひとときとなりました。

市民が主体となって自然の変化を観察し記録していく活動は、ネイチャーポジティブの実現に向けた重要な取り組みです。今回のデータも、森の未来を守る大切な一歩となりました。

次回冬の調査は、2026年2月28日の予定です。小さないきものの様子を一緒に観察してみませんか。

市民モニタリングチーム プロボノ研究会 15期 長江朝子

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RSSCシニアプロボノ研究会