「信託って何だろうから始まって」

堂園 昇平

 「信託という耳慣れない言葉」「毎回異なる外部講師によるオムニバス型授業」「寄付講座」と、とてもユニークな講座だと思いますが、おかげさまで、今年(2025年度)で6回目を迎えることができました。その間の思い出を2つ。

 先ず、初回(2020年度秋学期)は、コロナ禍の真っただ中。それでも5名の受講生を迎えることができ、会議システムによるオンライン授業で始まりました。初めて経験するリモート授業で、受講生の自宅と外部講師を結ぶのに苦労しました。しかし、会議システムの取扱いに慣れたおかげで、教室での授業となった後も、外部講師の一人が仕事の都合で東京駅界隈の職場を離れられなくなったときに、リモート参加による講義に切り替えて実施できました。リモートの柔軟な利用法には、率直に驚きました。

 次に、この講座は、信託の振興と発展に資する調査・研究・助成等を行っている公益財団法人トラスト未来フォーラムの、助成事業の一つとしての寄付による講座です。日本では、歴史的な流れから信託銀行が取扱う金融取引のイメージが強い信託ですが、これとは異なり、英米で広く使われているような、家族等を主な当事者とする、いわゆる民事の信託を、セカンドステージの方々に知ってもらい、その活用を考えていただくことが目標です。このため、「自分の信託を作ってみよう」を課題としました。毎回、興味深い信託目的のアイデアが出され、この講座の目標の一端が果たされたと感じました(2021年度は、講座内容の組み換えで実施できなかったことが悔やまれます)。

 これからも、信託を自分のものとして自分のニーズに合った活用を考えていただけることを期待しています。(なお、実現可能性は別途検討すべきです。法律や税務の専門家にご相談されることをお勧めします。)

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編集チーム 十七期生