「あどカフェ」勉強会(第12回)に参加して

第12回『あどカフェ勉強会』は、コロナの収束が見られない中zoom上で、3月20日(日)14時から、顧問の箕口先生以下17人のメンバーの参加により開催されました。今回は、新たに14期生5人によるメンバーの加入でいつになく活気付き、みなさん緊張していると言いながら、そこはRSSC生徒の強みである豊富な人生経験を活かし、活発な意見で勉強会が盛り上がりました。

勉強会は、いつもの通り箕口先生の挨拶に続き、各自1分程度の近況報告で始まりました。3月5日(土)、6日(日)と箕口先生が理事をつとめる「日本個人心理学会」が主催する「第2回学術大会」があり、この勉強会からも5人の方が参加しており、その報告をされていました。また、仕事をしている方、自分の趣味の話をする方など、いつも興味深い時間となります。全員が言葉を発しリラックス出来た状態で、いよいよ勉強会の始まりです。

今回のテーマは「共同体感覚の育成」、コミュニティの支援力を育てる実践にアドラー心理学がどのように貢献できるかを話し合いました。

まずは箕口先生のパワーポイントを使った講義から始まりました。

《「共同体感覚」はアドラー心理学の中核概念であり、精神的健康や建設的な生き方の指標とされ、教育、育児、心理臨床などの領域を問わず、あらゆるアドラー心理学の実践は、「共同体感覚の育成」を志向する。》このような頭の痛くなるような内容でも、後に行われる少人数での話し合いにより、ひとつ、ひとつ理解していけるように感じます。

講義の後は8分間のビデオ「世界がもし100人の村だったら」を視聴。このビデオは、世界の総人口を100人に凝縮すると、52人が女、48人が男、その内30人が子供で70人が大人...と始まり、中国語を話す人が17人、英語が9人と続き、宗教、食事環境、富、エネルギー、教育、発言の自由度、生活環境、etc.  そして、この村では1年に1人が死亡し2人が生まれるので、来年は101人になりますと、今現在の世界の状況を分かりやすく数字で捉えています。

そして、ビデオ視聴後に4、5人のグループに分かれて行われるブレイクアウト・ルームでの実践的な話し合いは、箕口先生が重きを置いている、勉強会に必要不可欠な場でもあります。世界の総人口を100人の村に凝縮した仮想世界を頭に置き、今まで学んできた「アドラー心理学の共同体感覚の概念」に基づき、この「村」についての意見や感想を自由に出し合いました。ブレイクアウト・ルームでの25分間の話し合いが終わると、それぞれのグループの代表者4名がグループ内で出された意見や感想を参加者全員の前で発表して共有しました。この意見を共有することで共同体感覚を感じることができ、他の人の意見を聞くことでより深く学ぶことができるようになるのだと思います。

最後に先生からまとめのお話があったので、以下に共有させていただきます。

「共同体感覚は、曖昧で哲学的だが目指す方向ははっきりしています。いかにコミュニケーションを取るかが重要で、対話が必要です。また、共同体感覚を考えるとき、つながりの感覚だけではなく、他者がどう考えているかに関心を持つことも大切です。これらも頭の片隅に置いてコミュニケーションを取ってほしいと思います。」

話し合いを共有した後で、副代表の五十嵐さんからこのビデオの背景とビデオがチェーンメールで広まったという補足説明がありました。チェーンメールの良し悪しでいえば成功しているのではないかという意見があり、チェーンメールについても考えてみる良い機会となりました。

14時から2時間に渡る勉強会もあっという間に終わりを迎え、最後の20分間は参加者の感想を聞いて16時半の終了となりました。(文:宇都宮)

第12回あどカフェ勉強会開催 3月20日