風のたより

 私は2015年度から2019年度までの5年間、ゼミナール担当教員として過ごしてきました。5年前は定年直前の64歳。5年後の今は70歳目前。あいにく今年はコロナ禍のためにゼミ担当もなくなりました。その代わり、過去5年間のゼミ生の方々からときおり届く「風のたより」が、自粛生活の楽しみの一つでした。

 2015年度の野田ゼミからは律儀なニュースレターが届きます。そこにはそれぞれの方々の暮らしの報告や意見や想いが綴られています。ニュースレターには私も「風信」と題して雑感など書かせていただいています。2016年度の方々は盛んにいろいろなイベントをなさっていて、一度は拙宅まではるばる足を運んで下さったこともありました。

 2017年度は専攻科担当でしたが、修了後、毎夏開催されるBBQパーティに招いていただきました。今年はもちろん中止でした。2018年度の方々は、私がどこかで講演などするというと、わざわざ駆けつけて下さったりします。コロナ禍のために修了式も送別会もできなかった2019年度の方々は、Zoom懇親会に招いて下さいました。

 多くのことが不可能になり、家族や人と会うことも難しい状況ですが、それでも旧友のような皆さんの平常心が励みになっています。考えてみれば、昨年の今頃は、アメリカを西から東へ、アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州とクルマで移動し続けていましたし、その後は、ジョージア(旧グルジア)での国際会議で、東欧の美しい山岳地帯を移動していたのでした。こうした旅がいつまた自由にできるのか判りませんが、そんな非日常を含む日常が復活するまで、どうか皆さんお元気でお過ごし下さい。
(野田研一)

 

 

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編集チーム 十一期生