・場所:セントポールズ会館「すずかけ」
・参加者:10名
・テーマ:民生委員・児童委員として_生活保護と格差社会
・話題提供:岩田 良江さん
【内容】埼玉県K市での民生委員12年の経験や活動について資料を元に説明した。
1.民生委員の発足の歴史、その機能、社会的役割、活動に於ける責任など。
*支援を必要としている人を適正に判断し、各所へ繋げる事、
*児童委員:学校と連携を取り、困難な出来事を早期発見、解決に導く事。
(民生委員の仕事の内容は余り良く知られていないので、出席者の理解を得たと思う。)
2.生活保護制度の仕組みについて
- 収入が途絶え働き手を失った時、その状況に応じて最低限度の生活を保障しながら、1日も早く自分たちの力で生活できるように援助が行われる。
- 適用される場合、世帯全員の収入を比較し、不足する場合に保護費として支給されるが、利用可能な資産や能力を活用する事が求められる。
- 申請は本人又は家族が役所生活福祉課窓口へ。
- 申請に基づき調査(生活状態、資産、稼働能力、戸籍から扶養義務者の確認他) され、その結果は1ケ月位で決定される。
- 支給開始後は色々な義務があり、指示に違反が生じた場合は返還を求められる。
- K市での生活保護家庭の実例を報告:支援がなくては生活できない家庭は援助が必要と認識。
3.年金のみで生活している人との比較
- 医療が健康保険扱いの医療であれば医療費は無料である
- 一度生活保護が認定されたら既得権となっているのではないか?
- 年金だけでは生活が成り立たなかったため自立の為の支援を訴えて新幹線内で焼身自殺した事件があった。(40年以上年金保険料を納めたにも拘らず生活できないのはおかしい、公平でない、等の意見が出た。)
4.補足の題目 格差社会の母子家庭、父子家庭、
離婚の原因は様々あるが、現状の色々な制度を利用しても、収入、労働、家事、育児、教育その他が重くのし掛かり、親子共に負担が大きい。格差が縮まる事は難しく連鎖の可能性が高い。この実態と支援の説明の中で、男女共同参画社会、一億総活躍社会についての議議が行われた。子供が小さくても働かねばならない若い母親達“保育所落ちた・・・”事件について国会は他人事の様な言論。欧米に比べ、子供を持つ女性が働く事に対し日本では国民の意識や行政も遅れている。待機児童解消に一つの提案が出された。「多くの元気なお年寄りに、有料ボランティアとして地域の子育てに参加していただく。これは相乗効果として同時に、昼間、空白になってしまう地域力を補う事もできる。」(この案件は民協、高齢部会の課題にしたい)
5.【選挙制度の改正について】の話題になり、
「選挙権が18歳に引き下げられたなら、上限を80歳にしてはどうか?」、「議員は自分の選挙のために高齢者を優遇する傾向がある(蔑ろは困るが程々でよい)」 「若者達が棄権せずに、若い世代が安定した生活を持続できる社会を作る・作れる代表を選挙すればよい。」等々闊達な意見で盛況のうちに終了した。
この記事の投稿者
最新の投稿記事
- ウイメンズ・クラブ2022年11月3日ウィメンズクラブ主催「ウクライナの人々と文化」講座
- ウイメンズ・クラブ2020年9月21日ウィメンズクラブ研究会報告(2020年2月~9月)
- ウイメンズ・クラブ2019年12月7日ウィメンズクラブ11月定例研究会報告「平和について考える」
- ウイメンズ・クラブ2019年11月12日ウィメンズクラブ10月定例研究会報告『一粒の麦 荻野吟子の生涯』を鑑賞して