2024年6月8日(土) 「 コミュニティ心理学 連続講座(第2講)」がオンライン(ZOOM)で開催されました。

 第1講は対面で開かれましたが、参加者の利便を考慮して今回と次回(第3講)はZOOMでの開催です。久しぶりにZOOMを使っての参加となる方もいましたが、18名の参加でスムーズに定刻どおり開始となりました。

 今回のテーマは「コミュニティ心理学の介入・支援の方法を学ぶ」で、問題を抱えている人たちへの支援や危機介入の仕方を学びます。最初に箕口雅博先生より「コミュニティ心理学とは?」という定義の再確認がありました。私は「だれも切りすてられることなく、ともに生きる・・・」という部分が大好きです。「どんな人も価値のある存在だ」「いろんな人がいていいんだ」という実感が得られる素晴らしい言葉だと思います。

 介入・支援の4本柱についても学びました。①予防的介入 ②危機介入 ③コンサルテーション(支援者への支援) ④サポート・ネットワーク作り の4つです。そして支援の基本は原因や犯人捜しではなく、様々な見方から問題解決を目指す「円環的思考」が重要との指摘もありました。予防的介入についてのワークでは、児童虐待をテーマに、課題と解決手法について予防的なプログラムを検討しました。各グループで深い議論ができました。

 また危機介入に関しては、自殺予防のための電話相談が効果的との紹介がありました。実は私もこの活動に参加しており、箕口先生からの言葉にたいへん勇気づけられました。危機介入についてのワークでは、自らが体験した危機への対処法について語り合いました。語られた危機を乗り越えた経験が今後のそれぞれの活動に大いに参考になると感じました。

 本講座を受講して考えさせられたのは、今の社会に超えられない格差やランク付けが生まれていて、人々の意識が分断させられていることです。そして、こうした意識を生み出すのが過度な自己責任社会の進展であり、人々のつながりの希薄化だと思います。希薄化したつながりとは、何かあれば冷たく放り出されるつながりです。異なる他者を包摂する力を失った無秩序な競争社会は、人々を分断し社会を壊していくことになるのではないでしょうか。コミュニティ心理学はそんな冷たい社会につながりを再建し、居場所や相談窓口を作り、対話を通じてつながりを創り出す力を持つものでしょう。7月以降の講座も楽しみにしております。

15期  斎藤 真琴