コロナ禍でも学びの情熱尽きることなく 

RSSC13期生 三井 秀俊

 学び直しのスタートは思いもかけない逆風の中で始まった。2020年3月中旬、春からのキャンパスライフを心待ちにしていた私に「春学期の全面休講」の通知が届いた。世の中は、新型コロナウィルスによって今までの生活が一変してしまう事態になっていた。開講が待ち遠しくジリジリとした焦りと「苦難の中でも本当に学びたいのか?」と神様から試されているような毎日を過ごしながら、7月中旬にようやく秋学期の開講決定通知が届いた。しかし、対面授業は週1回の「学問の世界A」と「ゼミナール」だけであり、全ての講義がオンライン授業という新しいスタイルだった。ウェルカムパーティも夏の納涼祭も清里の合宿も全て中止となり、思い描いていた新しい体験と心弾むキャンパスライフは夢となった。オンラインによる授業も慣れない環境の中、PCの不調によって休講となってしまうケースもあり、受講生も指導する先生方も手探りでの授業が始まった。追い討ちを掛けるように11月中旬には、新型コロナ感染者の増大傾向によって、貴重な週1回の対面授業もオンラインに切り替わり、全てがPCの画面を通したRSSC生活となった。仲間ともキャンパスで実際に会ったのは、ほんの数回であり、画面越しでの交流だけになった。
 しかし、逆境の中でも我々13期生12名は、こんな時だからこそ「学びたい」との強い思いを持って集い、日々学ぶことに感謝しながら今年度を過ごした。一つ一つの授業が待ち遠しく、事前提供される資料で予習、受講後に復習と自主研究を重ねて、かけがえのない経験を少しでも無駄にしない濃密な時間を過ごすこととなった。また、初めての試みでもあるオンライン授業形式でも、先生方のご尽力によって受講生の反応に合わせて講義を進めようとした姿勢が強く伝わり満足感のある授業を受けることができた。中でも、マンツーマンで先生を独占して受講した恵まれたケースもあり、全体的に少人数形式であったことが幸いして個々の理解レベルに応じたきめ細かな学びの場となった。我々もこうしたオンライン授業形式に対して、率直な意見を出し合い改善点等の生の声を事務局に届けながらケーススタディの役割を担い、今後の学びのニュースタイルに貢献できたものと思う。
 それぞれが胸に描いていた学び直しとは異なるかも知れないが、本当に貴重なかけがえのない経験となった。先生、事務局の皆さん全ての方々の心温かい支援に感謝しています。
 学び直しにあたって試練を与えてくれた神様、我々13期生は、今どう見えていますか?