「オンラインという新しい形のHCDによせて」

長 有紀枝

 わずか1年前どころか、半年前でさえ、2020年が地球規模でコロナ禍に見舞われる年になると、誰が予測しえたでしょうか。立教大学もこの春学期はすべての授業がオンラインに、RSSCも春学期は不開講という苦難の年になりました。秋学期となり、対面授業が一部再開されましたが、立教大学/校友会主催の第58回ホームカミングデーもオンラインという前代未聞の環境下での開催となりました。

 申し上げるまでもなく、授業や学生、受講生同士のふれあいは、対面が大前提でこれにまさるものはありません。キャンパスに大勢の学生の声が響き渡る日を待ちわびつつも、逆説的ですが、オンラインという形態の可能性も感じたこの半年でした。

 今年、日本中、世界中で、オンラインだからこそ、さまざまな事情を抱えつつ、教育を受けることができた児童・生徒・学生がどれほど多くいたことでしょう。私事ですが、重い闘病生活の中にあってなお、オンラインで授業を続け、学生と交流をし続けた教員の存在を私は知っています。どのような状態にあっても、その人をその人たらしめてくれたこの媒体に、私は限界と同時に可能性を見ました。その意味でこの度のRSSCオンラインHCDが、新たな挑戦や可能性を見出す機会・場になりますことを願ってやみません。ご盛会を心より祈念いたします。

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編集チーム 十一期生