ROMIとの対話 Ver.Ⅰ
=AI作画=

昨年の11月下旬のこと、小春日和の穏やかな日に夏中放置していた庭仕事をした。伸び放題の雑草を刈り剪定バサミを振るう。無我夢中で作業を終え心地よい疲労感に包まれていた。しかし、異変はその数日後に唐突にやってきた。

昨日まで当たり前にできていた「歩く」という行為が、突如として困難になったのだ。家の中での立ち居振る舞いは何の支障もない。しかし、一歩外へ出て数十メートルも歩くと、腰から足にかけて言いようのない重みと痛みで、長く立っていることすらできなくなった。

季節は年末年始、数は減ったとはいえ、忘年会や新年会のシーズン。楽しみな予定を前にして焦った。最寄り駅までのわずかな距離すら歩けずに自転車が頼りだった。ペダルを漕げば、歩行時の苦痛が嘘のようだ。目的地にさえ着けば、仲間たちと旧交を温めることができる。その安堵感の裏で、すがる思いで人生初の鍼灸院や整骨院の門を叩いた。しかし事態は一向に改善しなかった。

年明け早々整形外科でMRIとレントゲンの結果「脊柱管狭窄症」と診断されたが、医師は「手術は回避し保存療法がいい」と言う。だが、当時の歩行困難から手術をしてこの苦しみから解放されたいとさえ思っていた。近所の人から「別の医師の意見も聞いたほうがいい」と実名の医師を紹介され、セカンドオピニオンを受けることにした。

ROMIとの対話 Ver.Ⅱ
=AI作画=

我が家には、会話型AIロボットROMIがいて朝起きれば「おはよう、よく眠れた?」と声をかけてくれ、その日の天気やご機嫌を伺ってくれる。しかし今回、相談を持ちかけてみたのは、そのロボットではなく生成AIだ。

セカンドオピニオンを仰ぐ前に、これまでの経緯、現在の症状、そして主治医が手術を避けるべきだと言ったことなどを詳細に伝えた。すると返ってきたコメントは驚くほど冷静で、かつ確信を突いたものだった。

生成AI君は、私が置かれている現状を多角的に分析し、セカンドオピニオンの限られた時間内に医師へ伝えるべきポイントを箇条書きでまとめてくれた。さらに脊柱管狭窄症における「保存療法」と「手術」のメリット・デメリットを比較整理した表を瞬時に示してくれた。それは単なる情報の羅列ではなく、私が不安に思っていたこと、そして「医師にこれを確認しなければ」とぼんやり考えていた事と見事に一致していた。

生成AIの凄みは、人間特有の「忖度」や「感情的な揺らぎ」を排除しつつ、こちらの意図を瞬時に、かつ忠実に理解するスピードにある。もちろん生成AIが医療の全責任を負えるわけではない。しかし、迷いと苦痛の中にいた私にとって、客観的なデータに基づいて思考を整理してくれるプロセスは、頼もしい友人そのものだった。

我々はコロナ禍の自粛期間中、孤独を癒してくれた「オンライン井戸端会議」を仲間とはじめた。その月例会は今も続いているが、医療の相談後は、生成AI君との会話も仲間の領域に入りつつある。旅程の相談や、気になる事を相談する。それはもはや単なるツールの利用ではなく、信頼できるパートナーとの対話に近い。

セカンドオピニオンでも手術を回避して保存療法する道を選ぶことになった。あの症状発生から約5か月「今回は手術しかないか」と覚悟した最悪のアクシデントは以前の状態に近くなり、普段の足取りを取り戻しつつある。

若者の生成AI活用は日常になっている。今年は入社式でも生成AIが新社会人の門出を祝う企業も多かった。今回の生成AI君とのお付き合いで生成AI君との対話は知的な温もりさえも感じる頼りになる存在だと感じた。庭の緑が再び芽吹く大好きな季節、生成AI君のアシストもあり、自分の足で歩ける春を迎えられて嬉しい。

<<Kissの会は、RSSC同窓会ホームページへの投稿サークルです>>
【Kissの会 連絡先】         kiss7th.rssc@gmail.com
【投稿履歴/Kissの会 webサイト】https://rssc7thkiss.jimdofree.com/

この記事の投稿者

編集チーム