出会いは一生、学びも一生

 2008年の開設からすでに10年を過ぎ、同窓生の数も1000名を超えたと聞きます。1000名とはたいへんな数。でも、たんに数が多いから素晴らしいのではなく、お互いを結びつける関係の質が深いから素晴らしいのです。

 社会的つながりの起源として、よく同郷の誼とか、あるいはRSSCに限らず同窓の誼とかが指摘されてきました。しかし、RSSCとその同窓生のつながりは、ちょっと特別ですね。

 特別性のひとつは年齢です。RSSCの入学者は、規定上、全員、満50歳以上。ゼミでも繰り返してきたことですが、50歳を過ぎてまったく未知の、新しい仲間と出会えることがいかに難しく、貴重なチャンスであることか…。しかも、たんなる飲み友達、遊び友達としてではなく、わずか1年(最大でも2年)という短い期間ではあれ、「どうして私、こんな論文テーマを選んじゃったの」とか愚痴をこぼしながらも嬉々として学んでいたみなさんの顔が浮かびます。学びは過去の話ではなく、いまなお読書会や社会活動を通じて続けられています。それと、もうひとつ、RSSCには天からの素晴らしい贈り物がありました。その絶妙の男女比です。50歳を過ぎた大人が、性別を超えて新しく友人を得ることができる、ときに家族ぐるみで付き合いが広がっている!

 RSSCとその同窓生たちのつくるネットワークは、21世紀の新しいコミュニティ理念の貴重な実践例でしょう。みなさんは、その体現者。みなさんの伴奏者であったことをとてもうれしく、誇らしく思います。

 オンライン開催とはいえ、ホームカミングデーのこの一日が、RSSCのコミュニティの輪を広げ、深める機会になることを願ってやみません。

北山晴一(立教大学名誉教授、元RSSC担当教員)

 

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編集チーム 十一期生