私たち6期生会の15人は、10月19日、人形をテーマにした1泊2日の旅をしました。
出かけた先は南信の飯田市。そこには江戸時代から人形浄瑠璃の伝統芸能が大切に保存されています。我々は地域に4つ存在する人形座のひとつ、「今田人形座」を訪問しました。
19時半ころから、仕事を終えたばかりの座員の方たちが集まって練習されているのを見学させていただきました。間近で見られるのはとても新鮮で、「傾城阿波の鳴門・巡礼歌の段」の場面では、幼いときに分かれた娘を前にして親と名乗れない母の葛藤を、三味線の切ない調に乗せた太夫の語りと、3人の人形遣いによって表現される体の動きや顔の表情が相まって、どうしようもない悲しさが心の中で増幅されていくのを感じました。
飯田市は人形に縁のあるまちで、竹田扇之助国際糸操り館や川本喜八郎人形美術館なども見ることができました。他にも南信州旅行では欠かせない、満蒙開拓平和記念館や善光寺のご本家ともいえる元善光寺なども併せて見学しました。
何日も前から天気予報は2日間とも雨の予報で、実際、2日ともパッとしない空模様でしたが、天竜峡の天竜ライン下りのときだけ、それも一つ前に出た船は雨に降られたのに、私たちのときは雨が降らなかったばかりか、ところどころに青空が現れ、薄雲にかかった太陽さえ見ることができました。紅葉にはまだ早すぎましたが、素晴らしい船からの景色を堪能することができました。
今回の旅行は飯田市出身の林一彦さんが今田人形座の活動に大いに関わっていることで実現しました。林さんはRSSC本科の終了論文ではじめて故郷の伝統芸能を再発見し、そこからは頻繁に飯田と行き来するようになり、現在は今田人形を東京に呼んで紹介する活動を一人でやられています。私たちは今回の旅を通じて林さんの活動のすばらしさに共感し、感謝を込めてこれからみんなで林さんの活動を応援したいと思っています。
(記 今田悟史)
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