1.活動日 平成29年7月7日(金)
2.場所 MFビル会議室
3.出席者 11名
4.話題提供 梅本千鶴子(7期生)さん
4ヶ月前の研究会終了後、会員より「お墓」のことが話題になりました。偶然ですが、7月のお盆(一部東京)を迎えるこの月に「現代のお墓事情」について、皆さんと考える機会となりました。
平均寿命が毎年更新されている現在、自らの生き方を見直す時間ができたことで、最終地である場所についても考え、「終活」の言葉を目にするようになった。それは、これまで何かにとらわれていた事から、脱却宣言しているようにも受け取れる。その中でも「お墓」に対する考えは、近年での家族のかたちが変化し、女性の社会進出や国際化に伴って変わってきている女性の生き方も、時代背景にあるのでしょう。
人の最終地である「お墓」や「葬送」においては、家庭事情や個人のおかれている環境によって違いはありますが、現代の「お墓事情」を鑑みながら皆さんと考えてみました。
1) そもそも「お墓」は、いつの時代から「なぜ」造られたのか
2) 相続と「お墓」の関係
3) 現代のお墓事情
・無縁墓の増加 ・墓終いのニーズ ・墓の多様化
4) 最終の場所を、あなたは「何処に」「誰と」何を求めますか?
古代から鎌倉時代までは、庶民や貧民の亡骸は放置(風葬)され、並存的に水葬・火葬・土葬・風葬(野天・洞窟・樹上などに放置して自然風化)で営まれ、平安末期から鎌倉時代にかけての絵巻物「飢餓草紙」には、葬送地の様子が描写されている。
一般庶民がお墓を造るようになったのは、江戸中期以降で徳川幕府の檀家制度が普及するようになり、葬儀と死後供養を累代にわたり、お墓を作って祀る先祖供養が仏式で全国に普及するきっかけとなったと言われている。1898年施行の明治民法第970条によって「直系の男子優先、摘出子優先、年長者優先」と長男子が家督相続人とされ、お墓などの祭祀財産も長男が継承するものと定められていた。1948年施行の新民法によって「家制度」は廃止され新しい家族の概念は、「夫婦制家族」とされたが、まだ長男がお墓を守る意識が根強いのは否めない。
お墓は、昔の「家制度」の要素が色濃く残っているが、お墓の承継者がいなくなることで、無縁墓となることも多く、先祖代々のお墓があっても自分達だけのお墓を居住地近くに求めたりしていることも事実としてある。無縁墓が増えている大きな理由は、少子高齢化という人口構造の変化が大きく影響していると言われている。今や「お墓」は血縁ではなく生前から交流をもっている「縁」によって、血縁を超えた他人同士が同じ「お墓」に入る共同墓地は、無縁墓にならない秘策なのか、そのうちRSSC仲間同士の縁で「お墓」にということもあるのかもしれない。
「お墓」や「葬送」については今やシニア世代の課題の一つでもあり、メディアで取り上げられることも多い。会員が置かれている立場によって勿論違いはありますが、「お墓」に入る側・お世話する側によっても考え方が異なることもあるでしょう。
しかしながら、この年齢になったからこそ素直な気持ちで、自分の考えや希望が云えるのではないかと・・・会員がそれぞれ自分の家に置き換えて思いを巡らせた時間でした。
(7期生 梅本・記)
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