趣味は何ですかと聞かれたら、ちょっと考えた末に気取って「旅行と読書」ということにしている。何しろ年金暮らしの身である、時間だけはたっぷりあるのだ。今のところは・・・。そこで今回は、旅行の計画について書いてみようと思う。
その目的地選びであるが、まずは本である。次にテレビの紀行や旅行番組である。読んで(見て)ここ行ってみたいと思ったところをメモしておく。そこから選ぶ。そして目的地選びやそこまでの行き方を調べ旅程を計画するのに、これはいいと思ったものがある。最近久しぶりに購入した「日本地図帳」と「時刻表」である。かつては旅行の計画を立てるには必須のものであったと思っている。現在は地図や路線検索アプリが全盛になりすっかり脇役になってしまった地図帳と時刻表であるが、今回手にしてみてやっぱり旅行の計画はこれでなくちゃあと思った。全くのアナログの世界である。
以前からテレビの旅行・紀行番組を見ていてその場所がどこにあるのか詳しく知りたいと思うことが度々あった。地図アプリなどで調べては物足りなさを感じていた。地図帳を購入に踏み切らせたのは、RSSC7期生読書会で課題本担当の時に、『邂逅の森』(熊谷達也著)という秋田県の阿仁地区のマタギが主人公の本を取り上げたことだ。
主人公は秋田県から山形県までを活動の場としていた。その足跡を地図上で理解しておきたいと『プレミアムアトラス日本地図帳』を買った。都道府県別に45万分の1の地図が掲載されている。さっそく秋田県ページを見ると秋田内陸縦貫鉄道に「阿仁マタギ」という駅があるではないか。かなり山の中だというのは地図の色が山間地を示す茶色になっていることでわかる。物語に登場した色々な地名もわかる。
そして秋田内陸縦貫鉄道は角館から鷹巣まで走っているということもわかる。おまけに角館を訪れたときに見たのはこの路線だったのだという新たに知ることもできた。これらが一目でわかるのが地図帳の長所であろう。地図アプリだとこうはいかないのではないか。Google Earthのような便利な機能もありデジタルの有用性は否定しないが、私のようなアナログに愛着を持つものには、旅心を呼び起こす力は紙の地図から得られるものには及ばない。「時刻表」を購入したのはひょんなきっかけからである。

門司港が舞台のNHKのドラマ「コンビニ兄弟」を見ていて、そのレトロな雰囲気にちょっと行ってみたいなと思った。津和野、萩から下関、門司と巡るのはどうだろうと考えて路線検索アプリを使って調べてみた。例えば最寄り駅の小田原駅の朝一番(6時17分発「ひかり」)で行くとどうなるだろうと入力して調べると、例えば津和野を最初の訪問地とすると、飛行機で行くあるいは8時台の新幹線で行くと出る。飛行機は羽田空港まで行くのにエネルギーがいるし、新幹線は2時間も遅い出発になる。
何故?と思いアプリで乗換駅の新山口駅の時刻表を見ると、津和野まで行く山口線の本数が少ないのだとようやくわかる。そこで、先ほどの地図帳を手元において見てみると津和野、萩、下関、門司の位置関係がよくわかる。ここを効率的に巡るには、そうだ「時刻表」が良いと思いつき『JTB時刻表』を購入した。なるほど、時刻表の索引地図を見ると鉄道がどうつながっているか、バス路線はあるかなど一目でわかる。旅程の戦略を練ることができるのである。そこから細かい時刻表部分に目を移して具体的に決めていくことができる。決まれば後は「えきねっと」(JR東日本)「エクスプレス予約」(JR東海)などデジタルの出番である。まさにアナログとデジタルの融合である。
旅行の楽しみは旅先での出会いや発見、体験にあるのはもちろんであるが、実は計画の段階から始まっていると言っていいだろう。暇を見ては「地図帳」と「時刻表」を開く。さて次は何処へ行こうか。門司港へ行こうか。五能線を使って弘前へ行こうか。宗谷本線に乗ろうか。何しろ時間だけはたっぷりあるのだ。今のところは・・・。(7期 高橋豊房)
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