2025年8月30日、第5回 市民モニタリング夏の調査をさいたま緑の森博物館にて実施し、永石文明先生の他4名の市民モニタリングチームメンバーが参加しました。

 今回は、小川や田んぼのある長久保湿地のため池における水生生物の調査です。参加者それぞれが、ため池の縁や流れのところから網で草や泥などと共に水をすくい上げ、その中からいきものを見つけて仕訳をする見つけどりを行いました。泥にまぎれている小さないきものを逃さないよう丁寧に見つけ出し、一つひとつ確認しながら種類を同定しました。

 調査の結果、シナヌマエビやヌカエビ、シオカラトンボのヤゴ、マツモムシ、コシマゲンゴロウ、ヒメガムシといった水生昆虫、さらにヒメタニシやキタノカワニナなどの貝類を確認。小さなため池の中にも多様な生き物が共存していることを改めて知ることができました。ゲンゴロウ科やガムシ科といった減少傾向であるコウチュウの種が発見できたことは、この湿地での稲作が無農薬栽培であるおかげかもしれません。

【気候変動や自然環境の変化の中でたくましく生存する水中生物たち】

 水生生物は水辺環境の健全さを示す指標となり、市民が継続的に観察を行うことが、生態系の理解と保全につながります。今回で5回目を迎えたこの取り組みは、自然の損失を食い止めるだけでなく、生態系の回復や地域との共生をめざす“ネイチャーポジティブ”の実践でもあります。今後も継続的に調査を行い生物多様性を未来へつなぐ活動を続けていきたいと思います。

 真夏の強い日差しの下でしたが街の状況とは全く異なり、雑木林に囲まれた湿地には心地よい風が吹き、日影での作業は苦になることがありませんでした。自然に触れ、それを守る意義を改めて実感した一日となりました。

市民モニタリングチーム プロボノ研究会 15期 長江朝子

【連絡先氏名・メールアドレス】

代表者 ウイックスかおり  rsscsrprobonodsk(アット)gmail.com

(アット)を@に置き換えてお送りください

この記事の投稿者

RSSCシニアプロボノ研究会