2024年12月8日、市民モニタリングチームによる2回目となる水生生物調査を実施しました。1回目の夏の調査に続き、今回は秋の調査です。12月初旬なのに、秋の調査となり得るということで、自然観察活動から実際の気候変動を身近に感じ取れるようでした。

 調査は、埼玉県入間市にある『さいたま緑の博物館』敷地内で、前回と同じ水路とその上流の2か所で行いました。季節的要因もありますが、今回の調査ではあまり多くの生物を見ることができませんでした。見られたのは、ミナミメダカ、カワニナ、マルタニシ、シナヌマエビ、ヌカエビ、ガガンボ、アメリカザリガニ、トビムシで、それらの個体数も多くはありませんでした。また、前回は在来種のヌカエビが外来種のシナヌマエビよりとても多くみられたのに、今回はヌカエビの数が少なく、外来種の勢いが強くなっている様子がみられました。この勢力図が今後どう変化していくのか、次回の調査が気になるところです。

※外来種(特にアメリカ産と中国産)と在来種の力関係が、まさに現在の世界の国々の力関係の縮図を見ているようで、生き物の世界の問題だけではないように思えてなりません。

 「生物が少ない時は、早々に引き上げる」という先生の方針の下(このような自然相手の調査は『頑張りすぎない事』が肝要です)、早めに終えた調査の後は、自然観察の山歩きへ出かけました。「ホケキョー」とは鳴かないこの時期の鶯の笹鳴きを聞き、秋の葉の色の変化について、目の前の葉っぱや木の枝を実際に触れながらの説明は、まさにこれが本当の学びであることに気づかされました。そして飛ばない1匹のメスを求めて飛び回る約100匹のオスのフユシャク(蛾)の話などは、自らの子孫繁栄のための過酷な生存競争を垣間見るようでした。色々な生物を観察と晩秋の山を満喫でき、実に有意義な1日となりました。

 このチームの活動は、小さいけれど、今世界中で進められているネイチャーポジティブ実現に向けた、大きな社会貢献の一つです(活動報告No.10 参照)。自然を肌で感じ、その実態を観察してみることは、単なる学びではなく、まさに自分自身の生命の原点回帰の活動といえるではないかと感じてしまいます。そしてそれらの学びを自分の中に落とし込むことができるからこそ、未来の自然環境保護の小さな一歩への足掛かりになることに気づかされました。

 次回の調査は3月下旬を予定しています。このように自然に触れることによって、気づきや学びの多い市民モニタリング活動へ参加してみませんか。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

市民モニタリングチーム プロボノ研究会 15期 長江朝子

RSSCシニアプロボノ研究会

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