いにしえの飛鳥時代

12期生会顧問 高野雄太

 3ヶ月ほど前、たまたま古本屋で、とある漫画を見つけた。山岸涼子作の「日出処の天子」で、ご存じの方もおられると思うが、厩戸皇子(後の聖徳太子)と蘇我蝦夷を中心に、少年だった厩戸が摂政になるまでを描いている。当時のどろどろの世の中を実は厩戸皇子が“超能力”を持っているという観点で話が進んでいく。それぞれの出来事が史実とも整合性がとれている展開なので、本当にこうだったのかもしれない、と思ってしまう。

 もともと歴史には関心を持っていたのだが、これをきっかけに飛鳥への興味が高まり、この夏「高松塚古墳壁画修理特別公開」と「キトラ古墳朱雀特別公開」という2つの催しに行ってきた。詳細は省略するが、教科書で有名なあの壁画の現物が目の前にある、というのが不思議な感じであるとともに、かなり色褪せている壁画の現実を見て、こうした歴史的遺産を受け継いでいく大切さを痛感した。次回は漫画に実際に登場する場所をいくつか訪れたいと思っている。

 尚、今回の古墳へのアクセスには近鉄飛鳥駅からレンタサイクルを使ったのだが、キトラ古墳への行程はほとんど上り坂で、炎天下の中、自転車を押しながら40分もかかって熱中症寸前になってしまった(徒歩30分となっていたのだが)。皆様がもし行かれる場合は、料金は高くなるが必ず電動自転車をレンタルすることをお勧めする。


以上