毛嫌いしていた「修了論文」が私にもたらしたもの

11期生会顧問 松澤 順一

 コロナ禍の3年間、楽しかったことの一つが「21世紀アクティブシニア研究会」(RSSCサポートセンター登録)の看板メニュー「個人研究」である。専攻科修了直後のコロナ禍蔓延による生活制限がかえって「個人研究」に力を注ぐことになったのは皮肉だが、「“食い道楽” の起源」、「歌謡曲が輝いていた頃」といったテーマでの発表準備が楽しく、ついつい増えてしまう資料枚数の多さでメンバーには迷惑をお掛けしている。

 この「個人研究」に私を引きずり込んだのはRSSCでの修了論文体験。修論さえなければRSSCは最高と思っていた私を変えたのは、論文作成の基礎を伝授してくれた本科の成田先生、文章を練り上げることの楽しさを教えてくれた専攻科の高橋先生のお二人である。(大晦日、「来年もよろしくお願いします」と送った論文案に熱心な高橋先生はすぐ返信され、「明けましておめでとうございます」と改めて修正案を送ったことが懐かしい。)

 さらに、立教大学図書館で「調べること」の魅力に取り憑かれた私は、RSSC修了後、図書館の司書資格に挑戦し取得するが、資格取得の授業で「論文づくりの楽しさ」のキーワードは「ブラウジング」(ネット検索、元々は図書の背表紙をながめ手に取った本をめくること)と「芋づる式情報検索」(参照している論文を次々とたどり、情報の質・量を高めること)の2つであることを知り、より「個人研究」にのめり込むこととなった。

 このようにRSSCでの修了論文作成は修了後の私の生活に大きな刺激と楽しみを与えてくれた。「論文づくりの楽しさ」のキーワード「ブラウジング」は「人との出会い」、「芋づる式情報検索」は「付合いを深める」と考えれば人との付合いにも当てはまるものであり、これからのシニア生活に活かせるよう新たにチャレンジして行きたい。

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編集チーム 十四期生