2025年7月2日にRSSCユネスコクラブは、12期生から18期生までの参加者17名で神奈川県横須賀市にある立教大学原子力研究所見学を実施しました。

 参加者の中には以前に授業で来たことがあるという方もおられ、当時の話などもあって和やかな雰囲気の元、プログラムはスタートしました。

 まずは立教炉の概要、これまでの成果、現在に至るまでの廃止措置を含めた、研究所全体の紹介を講義していただきました。その後2班に分かれて交互に原子炉棟内の見学と、「放射線と原子力について」と題して原子力に関する基礎知識をレクチャーしていただきました。また原子炉棟内の制御室では、α線、β線など放射線の種類による物質の遮蔽効果の違いなどを機器を使って実験してもらい、実際に実感することができました。東日本大震災の際の原発事故の話を聞けたのも貴重な経験となりました。そしてあっという間に時間は過ぎ、最後の意見交換の時間も十分に取れないまま予定時間をオーバーして終了しました。我々のような素人集団に、懇切丁寧に接してくださった研究所の方々には厚く御礼申し上げます。

 今回の見学・講義を終えて、放射能は身の回りに普通に存在するものであり、正しい知識を持って接すれば必要以上に恐れることはないと学んだように思います。しかしながら、運転が終了しながらもいまだに残る放射性廃棄物のドラム缶の山と、今後30年以上も先が見えない完全な廃止措置の終了には、暗澹たる気持ちになったのも事実です。あまりにも違う人が生きる時間軸と放射性物質が減衰していく時間軸の違いに、果たして人類は原子力を扱うに足りる存在なのかという疑念が生じてきました。まだご覧になったことがない方には是非見学していただき、皆で考えていきたい問題だと感じました。

(RSSCユネスコクラブ 14期 荒井哲男)

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編集チーム 十六期生