10期生 岡村 豊
皆さんは、午前5時から午後6時まで、距離にして100km、時間にして約13時間を走り続けたことがありますか。
私が56歳でウルトラマラソンを走り始めて13年が経過しました。その間、17の大会に出場しましたが、完走が13回、途中棄権が4回でした。
完走出来なかった原因はその日の体調や天候等があります。レース当日に合わせて体調を整えることが難しいのは勿論ですが、大会当日の天候も様々で、34度の猛暑の日もあれば、1日中雨模様の中を低体温症で走れなくなったランナーを気遣いながら走ったこともあります。
コースは様々なコースがありますが、レースの時間が長時間であることやランナーの安全性から、都市部の平坦なコースが少なく、地方の山岳コース多くなっています。
私が出場した大会では、標高1300mの峠越えを含めた5箇所の峠越えコース、スタート直後にいきなり標高1500mの峠越えのコース、標高100m~200mの峠越えが16か所のコース、ゴールまでの最後の10kmが延々と登り坂のコース、何故か距離が102kmのコースと厳しい条件のコースがありました。
一方で、富士五湖の満開の桜を見ながら走るコース、オホーツク海を見ながら湿原を走るコース、能登半島の灯台や棚田等を巡るコース等、楽しく印象に残るコースもありました。
レースも70kmを過ぎると、「もう止めよう、あと少し、もう止めよう、あと少し・・・」の繰り返しで、自分との闘いになってきます。
その時、励みになるのが、一緒に走っているランナーの存在です。苦しいのは自分一人ではない。「皆が苦しい中で頑張っている」と思うことで走る気力が湧いてきます。
苦労の結果、制限時間内でゴールした瞬間は嬉しいというよりも、もう走らなくてもいいという安堵感で一杯になると同時に、それまでの苦しさを一瞬で忘れてしまします。
ウルトラマラソンに必要なのは足の速さではなく、身体の強さと諦めない気持ちだと思いますし、肩の力を抜いて一定のリズムで走り続けることが完走の極意だと思います。
今年はコロナ禍で予定していた大会が全て中止になりましたが、来年の大会に備えてトレーニングだけは続ける毎日です。
マラソンは努力した内容がそのまま結果に反映される競技ですし、誰でもその気さえあれば明日から走る事が出来ます。
皆さんも100kmを完走して、自分自身が見たことの無い新しい風景を見てみませんか。
この記事の投稿者
最新の投稿記事
- 十期生会2021年12月13日【10期生会】専攻科 加藤ゼミ 活動報告
- 十期生会2021年7月3日【10期生会】70歳からの学びと花との生活
- 十期生会2021年6月22日【10期生会】第1回オンライン講演会実施報告
- 十期生会2021年4月3日【10期生会】大学院とは何をすべきところなのか