東京・渋谷のPARCO劇場が新生オープンし、1月24日から2月20日にかけて志の輔落語~PARCO劇場こけら落としが開催されていた。2月1日は、チケットがとれない落語家として有名な立川志の輔師匠の公演を夫と楽しんでいた。志の輔師匠自ら三番叟を舞うことから始まり、創作落語「メルシーひな祭り」、古典落語「八五郎出世」、PARCO劇場こけら落としについての話まであり、あっという間に時間が過ぎていた。笑いで脳の働きは活性化し、酸素はいつも以上に体内に取り込まれ、今年もかわらない1年が始まっていると思っていた。しかし甘く考えていたようである。あっという間にマスクやアルコール消毒液などが店頭から消えていき、私の手帳に書いてあった予定も消えていく日々が始まった。
3月から高校時代の友人の指導で体操教室を始めることにしていたが、身体を動かすことより口を動かすことが多くなりそうなので、延期となった。予定はどんどん消えて、夫の仕事が自宅待機になった頃から、規則正しい生活のリズムと体重維持(本音はダイエット)のために、6時25分からの「テレビ体操」を始めることにした。雨の日には散歩は不向きだが、部屋での体操なら天候とは関係なくできる。やり始めてみると、曜日によって体操の内容が少しずつ違っていて、飽きずに身体を動かすことができる。夕方は録画をした「ラジオ体操第一&第二」「みんなの体操」「リズム体操」で一日の疲れを吹き飛ばすことにした。鎌田實医師実践の「かかと落としとスクワット」も取り入れると、1日25分の体操でも運動不足の解消になった。1日25分の体操を続ければ、1週間で175分(約3時間)となり、1ヶ月で12時間にもなる。高等学校の体育の単位数は2~3単位なので、高校生と同じくらいの時間を運動することになると思うと、モチベーションが上がってきた。
食事も私のモチベーションを上げてくれる一つである。ストレスがたまった時は「ハンバーグ」を作ることにしている。無心で玉葱のみじん切りをして挽肉をこねると、不思議と心が晴れてくる。特にこねる調理過程は幼児の粘土遊びと同じなのかもしれないが、集中することができるので心が少し軽くなる。さらに精神的疲労やストレスを和らげる香辛料「ナツメグ」の香りと焼いたときの食欲をそそる匂いが、私の心を晴れさせてくれる。トマトソースたっぷりの煮込みハンバーグが好きな夫にも、笑顔が溢れてくる。一挙両得のハンバーグが完成すれば、私のモチベーションもさらに上がってくる。
先日、中学時代の友人である香代ちゃんと電話でおしゃべりをしている時に、「テレビ体操」が話題になった。友だちは放映時間に合わせて、1日3回から4回の体操をして生活のリズムをとっていると言っていた。呼吸器の弱い友だちとは、まだまだ物理的な距離を縮めることはできない。6時25分からはテレビ体操で同じように運動しているので、心の距離は縮めることができていると思う。今は、電話でおしゃべりを楽しみながら口の運動をしているが、いつかはマスク無しで逢うことができる日がやって来るはずである。便利すぎたコロナ前の生活からみると不便を感じてしまうことが多いが、「新しい生活様式」を心がけながら、心と身体をリフレッシュさせる日々を過ごしていきたい。
(7期生 金子)
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