桜の花がまさに満開の 3月31日、21世紀アクティブシニア社会共生研究会メンバーは、55歳から17年間に渡り日本全国を測量して歩き正確な日本地図を作ったことで知られる元祖アクティブシニア「伊能忠敬」の記念館と忠敬の住んだ佐原の町を見学しました。

 伊能忠敬は、17歳で酒造業を営む佐原の伊能家の婿養子となり、商売の才覚を発揮し約20年で伊能家の収入を3倍に増やしたそうです。その後家業を息子に譲り、50歳の時江戸へ出て、以前から興味のあった天文学と暦学を本格的に学びました。そして、暦をつくる幕府の役所に勤めていた天文学者高橋至時に弟子入りし、55歳で日本地図作製のための測量の旅に出発しました。

 測量の旅は、北海道南岸から始まり、計10回に及ぶ日本全国の測量を実に16年間71歳まで行いました。忠敬の測量方法は、前方に立てた目印(梵天)が北から何度の方角に見えるかを測り、その目印までの距離を測ります。それを毎日繰り返し、宿では1日に測った分を地図にまとめ、江戸へ戻ってさらに大きな紙に書き写して作りました。その10回の測量で歩いた距離は、実に「4万キロ・地球1周分」に匹敵します。忠敬は73歳で亡くなりますが、没後3年にして日本全図は完成しました。忠敬が作った日本地図(伊能図)は、大正時代までの約100年間のあいだ、正確な日本地図として使われることとなったそうです。

 続いては、佐原の町並み散策&ランチです。桜吹雪が舞う「香取神宮」を参拝し、ユネスコ無形文化遺産に登録された「佐原の大祭」「佐原囃子」を展示する「山車会館」を見学しました。ランチタイムは、江戸屋敷を再現したたたずまいの店「佐原千与福」にて創作日本料理を堪能。最後は、創業者が伊能家に弟子入りして酒造りを習得したという「東薫酒造」での地酒造りの行程見学と利き酒タイムで旅を締めました。

 今回の見学ツアーでは、商売にキリをつけた50歳のセカンドステージにおいて、自分の興味のある学問をとことん学び、それを実践に結び付けて偉業を成し遂げた、アクティブシニアの元祖と言うべき伊能忠敬の生き方を深く知り、大いに触発されました。江戸時代は人生50年と言われていましたが、今は人生100年時代です。我々は、これから益々アクティブに活躍していきたいという思いを新たにし、帰路につきました。

(記 深井)