科学のなかの化学を感じて捉えてみましょう

箕浦 真生(立教大学副総長・理学部教授)

 「おっ、結構綺麗にできてる!」「ねぇ、私のこれみてみて!」
化学実験室に、和気あいあいとした弾む声が響きます。輪ゴムで絞ったエコバッグを水洗いし、そっと広げた瞬間、白く抜けた模様の向こうに深い藍色が現れ、受講生の皆さんの顔が少年・少女のように輝きます。互いの作品を「いい色だね」「素敵よ」と褒め合い、写真を撮り合ういきいきとした姿は、私にとって何よりの喜びです。

 私の担当講義「科学のなかの化学を感じて捉えてみましょう」の目標は、人と自然・科学の関係を知り、社会の現実から課題を発見し、関わっていく視点を育むことです。座学で科学・化学の定義、インジゴの歴史や酸化還元を学んだ後、実験室で実際に藍染めに挑戦します。インジゴを還元して黄緑色になった液に布を浸し、引き上げて空気に触れると、刻々と、しかも一様ではなく藍へと変わっていきます。「半世紀ぶりの実験が楽しい」「学問の世界に触れた実感がある」との声を毎年いただいています。実験初心者の皆さんの質問に私の研究室の学生が丁寧に応える姿も、学びをつなぐ大切な場面です。セカンドステージ大学で出会った皆さんの熱量のある学びに、こちらが学びをつなぐ力をいただいています。

 不確実な時代を牽引される皆さまにこそ、自ら感じ、考え、捉える力を一層深めていただきたいと願っています。自然を理解し社会を見つめ直す「科学する気持ち」を、藍染めの体験と共に、これからの社会でのセカンドステージで活かしていただければ幸いです。

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編集チーム 十八期生