寺子屋先生参加記

RSSC10期 来会園子

「これから寺子屋宮崎台を始めます。みんなで一緒に勉強やレクリエーションを楽しみましょう!」子どもたちの元気な挨拶で、本日も寺子屋教室の始まりはじまり。
 川崎市では、地域の様々な人の知識と経験を活かし多世代で学ぶ生涯学習の拠点とし、地域ぐるみでこどもの学習や教育をサポートする事業として、2014年寺子屋教室がスタートし、現在61か所(179校中)の小・中学校において活動中です。
 活動内容としては、水曜日(週1)放課後の学習支援と、地域、企業、大学などから講師を招いての体験学習(2月は花の寄せ植えを実施)・世代間交流(土日等、月1回)を実施しています。
 人員構成としては、地域住民、学生、保護者、元教員などが養成講座(半日×4回)を経てボランティアとして参加、その中でもシニアの参加は多数に上っています。
 我が川崎市立宮崎台小学校の寺子屋教室は、参加生徒数40人(2年生19人・3年生9人・4年生7人・5年生5人)に寺子屋先生8人(男4人女4人)で運営されています。
 具体的なタイムスケジュールは、机・イスの設営・消毒、学年ごとに当日使用する算数・国語のプリントの用意や受付準備(配布シールや名簿等)が終わるともう子どもたちの元気な声が聞こえてきます。入り口で手の除菌を済ませ、子どもは各自宿題や用意したプリントに取り汲みますが、質問やわからないときは寺子屋先生の出番です。私は3年生を担当で、九九一つとっても理解度が違います。答えを教えるのではなくなるべく子どもたちに考えさせるというスタンスに立ってその子に接するという難しさを日々感じていますが、答えにたどり着いた時の丸付は、微力ながら私にとっても花丸気分です。
 又、学習支援の難しさもさることながら、川崎市は核家族や単身所帯が9割以上という現状に加え、共働き家庭の増加、安全面や人権面等今の子どもたちを取り巻く社会情勢は昔と大きく違います。
 養成講座では個人情報の保護、体罰、公平性、安全面、子どもへの接し方等について具体的なエピソードを通じてグループで学びますが、時代に対応すべく全ての事にアップデートの必要性を感じています。
 さて寺子屋教室後半は子どもたちお待ちかねの、体育館でのマット・バスケットボール・縄跳び・バトミントン等での運動が始まります。寺子屋先生も見守りを兼ね参加、これが結構きつく日頃の運動不足の解消にも役立っています
 その後子どもたちと後片付け、学童保育「ワクワクプラザ」合流組と帰宅組を見送り、教室の後片付けを済ませると本日の寺子屋教室はおしまいです。
 思い起こせばRSSC面接時に志望動機を問われ、母の入院で介護が一段落し解放された気分で「RSSCは知・空間・体験・遊びの大人のワンダーランドです。」とノーテンキに答えた私に「その後社会にどう生かしたいのか」を問われ、思わず「仕事と子育ての両立で行き詰っている母親のサポートをやりたい」と答え、それが専攻科修論で少子化問題に取り組むことになり、さらにその実践として寺子屋先生のボランティア活動へと繋がったことは、RSSCでの学びとの結果だと感じています。。
 近所の公園で、路上で子どもから「寺子屋先生!」と声をかけられたり、私から声がけしたりとボランティア活動を通して私自身も地域との結びつきを実感しています。
 コロナ禍でオンライン授業中心で登校できない大学生のストレスについて報道されています。小学校でも今年度の活動は9月から開始、そんな中子どもたちは学校生活において新しい生活に見事に対応し、以前と変わらない人数・教室で授業・・給食・運動・委員会活動・クラブ活動と元気に過ごしています。そんな子どもたちの様子をから、どんなにデジタル化が進んでも対面での人と人との繋がりの必要性を強く感じます。
 さあ、私も元気をもらいに毎水曜日寺子屋ボランティアに全集中!

この記事の投稿者

十期生・ 編集チーム