「体力があるうちに、またヨーロッパ行きたいね。」とどちらが言い出したわけでもないが、久々に海外旅行に行くことになった。さてさて、どこがいいだろうかと思案。これまでは、飛行機とホテルと送迎だけがセットであとは現地はフリーというツアーを選んでいた。しかし体力や久々であることなど考えて添乗員付きのパックツアーにしようと、旅行会社のサイトを渡り歩き某社のフィレンツェとローマに3泊ずつするツアーを探し出した。連泊は楽だし何よりフリータイムが多いということで決断。3月11日から18日まで6泊8日のイタリア旅行に行ってきた。どこに行ってもイタリアは楽しいのだが今回は特に印象深かったことを書いてみた。
ローマで一日フリーの日があったので、観光名所の一つナヴォーナ広場へ足を伸ばそうということで繰り出した。ナヴォーナ広場はローマ皇帝ドミティアヌスが造らせた競技場が元となっていて縦に細長い特徴的な形をしている。広場中心にはバロック彫刻の傑作といわれる、ベルニーニ作の「四大河の噴水」がある。奇しくもその日はローママラソンが行われるとのこと。ナヴォーナ広場はちょうど40㎞地点にあたり広場を半周していく。それならせっかくだからここで応援しようと広場を散策した後、カフェで一休みしながらマラソンランナーが来るのを待った。


「カプチーノ8ユーロ!!」日本円で1300円以上。ローマの観光名所とはいえ高すぎるだろうとは思ったが追い打ちがあった。代金を支払う段になって何やらチップが2ユーロだと言っているようだ。レシートを見ると二人分16ユーロと書いてある(プラス2ユーロ)。まあいいかと20ユーロで支払いをし、2ユーロのお釣りを待った。ところが待てど暮らせどいつまで待ってもウエイターはお釣りを持ってこない。「こらー!早くお釣りを持ってこい」とはイタリア語はもちろん英語でも言う語学力は持ち合わせていない。こうなったらこちらも意地だ。ウエイターを目で追いかけ続けると、こちらのガンつけに気がついたのかしぶしぶお釣りを持ってきた。日本は円安で海外旅行も大変なのよイタリアのお兄さん。
とそうこうしているうちにローママラソンの選手たちがやって来た。まずは競技ランナーたちが凄いスピードで目の前を駆け抜けていく。とても40㎞を走って来たとは思えない。競技ランナーたちが疾走していったあとしばらくして市民ランナーがバラバラとそして集団になってやって来た。自分の限界に挑んでいるような、走ること自体を楽しんでいる人、沿道の観衆にハイタッチしていく人(私も手を差し伸べハイタッチ)。隣の少年は金切り声をあげてGo!Go!Go!と声援を送っている。私もつられてGo!Go!Go!。ランナーが来ても規制線を突破して反対側に横断する観客。それを赦すボランティア。やっぱり楽しいなぁ~イタリア。
ところで、昨年の12月24日から来年の1月6日までローマ(バチカン)では信者のために「聖なる扉(porta santa)」が開く25年に一回の聖年にあたるということだ。簡単に言うとサンピエトロ大聖堂などの「聖なる扉」(右写真:サンタマリア・マッジョーレ協会の聖なる扉)をくぐることによって神の赦しが得られ天国にいけるということだそうだ。そのため、世界中のカトリック信者が巡礼団を組んで訪れておりローマ市内の各所で遭遇した。カトリック総本山のサンピエトロ大聖堂は特に何組もの巡礼団が列をなして扉をくぐろうとしていた。どうやら信者でない私たち観光客もくぐれるらしい。巡礼団の隙間を縫って入らせてくれた。巡礼団はそれぞれの巡礼団の歌を歌いながらくぐっていく。その後に続いて私たちもくぐる。罪深い私は天国に近づくことができたのだろうか。
「体力的に今回が最後だね」と出かけたイタリア旅行だった。が、だめだ。楽しすぎた。
「また行きたいね。次はどこにしようか?体鍛えておかなくちゃ。」と語り合う能天気な二人がいるのだった。(7期生 高橋豊房)
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