パークゴルフは、1983(昭和58)年北海道帯広郊外にある幕別町でコミュニティスポーツとして始まった。クラブでボールを打ち、カップインするまでの打数を競い合いながら楽しく遊ぶことができるので、3世代スポーツとしても北海道民の間では広まっている。ゴルフよりも手軽に楽しむことができ、もしかすると私でもホールインワンを経験することができるかもしれない等、魅力満載なスポーツである。ゴルフとは無縁の人でも1打でグリーンに届くホールもあり、さらにカップが大きいのでホールインワンのチャンスが芝の下には隠れている。ルールもシンプルで手軽なパークゴルフを初めて楽しむことができたのは、10年以上前の北海道旅行であった。パークゴルフと温泉をセットにしながらの旅は、心躍る思い出として私の中に残っている。
そこで思い出のパークゴルフを久しぶりの北海道で楽しみたいと考えていた。しかし今夏の記録的な大雨と台風のために、予定した幕別町でのパークゴルフは実現できなかったが、好天に恵まれた札幌の奥座敷と呼ばれる定山渓では楽しむことができた。普段はゴルフを楽しんでいる夫とスポーツ苦手の私とのパークゴルフ対戦は、定山渓で幕が開けられた。対戦中には、「ここは、あのネットに当てる気持ちで打てればグリーン近くに寄せられる!」「グリーンには優しく乗せる気持ちで!」「あっ弱い、傾斜を読んでもう少し強めに打とう!」等々適切でかつ無理なアドバイス付きであった。アドバイスがそのまま私のスコアに反映しないせいか、最後には「頭を使って」で締めくくられ完全に落ち込んでいった。さらに腕は虫に刺されかゆくなり、放り出したい気持ちがMAXになっていった。その時に夫の優しい「もう1コース」があり、今度こそはホールインワンが待っていると信じて対戦することにした。コンパクトなスイングの夫は普段のゴルフよりスコアは良かったのかもしれないが、ここは夫の名誉のために聞かないことにした。勿論私のスコアは散々であったが、二人の笑い声とボールを打つ音だけはグリーンに響いていった。池が無いので「ぽちゃ」という音が聞こえてこなかったのは幸いなことであった。楽しく遊ぶことの三要素である時間・空間・仲間がパークゴルフには存在することを実感することができた。さらに気持ちの良い汗を流すために近くの小金湯温泉も楽しむことにした。1世紀以上の歴史を持つ小金湯は、硫黄の香りに包まれた無色透明の湯で、スコアの悪さも虫からのかゆみも忘れさせてくれ私に心地よい恵みを与えてくれた。
今回の旅行は予定通りとはいえない部分もあったが、夫の両親や私の姉たちが帰宅した時には、いつも以上にホッとした顔で迎えてくれたことが予定通りだったかもしれない。来年はパークゴルフin幕別を楽しむことができることを願っている。(7期生 金子)
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