☆「老いて学べば、即ち死して朽ちず」とは、今年3月のRSSC専科修了時に、ゼミ担当教員の渡辺信二先生よりいただいた、「はなむけの言葉に代えて」のメッセージの中で紹介されていた、江戸末期の儒学者佐藤一斎の言葉です。同窓会HPにも投稿され、全文を読まれた方もいらっしゃるかと思いますが、専科修了にあたり、心に響く励まされる言葉でした。そんなわけで、私の「Kissの会」への最初の投稿として、この言葉に励まされている、普段の自分の身近な出来事を、取り上げてみることにしました。
☆まず、この言葉に背中を押されて?か、4月に立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科に、後先もよく考えず“無謀”にも飛び込んでしまいました。実際入学してみると、専科ゼミの同級生や本科から進学したRSSC修了生が居て、多少“ほっとした”ところもありましたが、「社会をデザインする」研究科だけあって、社会全般に対する問題意識が高く(最近の若者の間では“意識高い系”は、あまり良い意味ではないようですが)、大変積極的な人が多いとの印象を持ちました。雰囲気としては、新卒者、定年退職者、仕事との“二足のわらじ”組、中国、台湾、韓国からの留学生等、様々な経歴・文化的背景をもった人たちが学んでいて、大変刺激的でもあります。無理に力まず、“学びそのものを楽しむ”気持ちで(若い人には叱られそうですが)、現在は、専科のときと同様、修士論文のテーマ決めに、日々頭を悩ませているところです。
☆もう一つ、冒頭の「老いて学べば」の言葉が励ましとなっている「学び」に、長年親しんできた「太極拳」があります。太極拳は、もともと高度な技法の中国伝統武術でしたが、現在は、心・息・動のバランスを整える健康法として、世界中に広まっています。日本でも太極拳人口は年々増えており、愛好者は150万人ともいわれ(『やさしい太極拳』朝日新聞出版)、主に「健康のための太極拳」を楽しむ中高年が多いようです。そのうち約70パーセントを女性が占めているといわれます。10歳代から80歳代まで年齢に関係なく、3世代が一緒に楽しめる健康法として、行政がその普及を後押ししている地域もあるようです(福島県喜多方市や大阪の熊取町など)。太極拳の練習は、心身をリラックスさせ、意識(意念)で体の動きをコントロールし、呼吸に合わせ、ゆっくり、柔らかく行います。年配の人や運動が苦手な人でも、体力に合わせて参加することができ、音楽に合わせても、座禅のように心静かに、無心になって動くこともできます(動禅)。一人でも、集団でも演舞でき、好きなときに好きな場所で練習できるのも魅力です。中国古来の哲学・思想にもとづく太極拳は、健康法とはいえ奥が深く、演舞中の“気持ちよさ”とともに、その“奥深さ”が、長年続けられる理由かもしれません。「学びの情熱尽きることなく」です。一度近くの公園や公民館で、太極拳の演舞や練習をのぞいてみたらいかがでしょうか。
(7期生北原)
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