2026年9月13日、永石文明先生と行なう第9回市民モニタリングを、狭山丘陵にあるさいたま緑の森博物館・西久保湿地で実施しました。雨の日が続いていましたが、この日は幸い雨に降られることなく、水生生物調査を行うことができました。

 今回の調査場所は、西久保湿地にある早稲田大学が管理する田んぼ。水が少なく土も柔らかくトロトロで、土をすくう作業やいきものを探すことにいつもより少し苦労しましたが、シオカラトンボ、オニヤンマ、ナガレカタビロアメンボ、ケシカタビロアメンボ、ヒロアタマナガレトビケラ、トビイロカゲロウなど、14種もの生きものが確認されました。

 

 そして今回も、小さな生きものを拡大したりじっくり観察する面白さを楽しみました。カタビロアメンボは肉眼ではゴマ粒のようですが、拡大して見ると、細い足や体の形、色や模様の違いまでよく分かります。シオカラトンボのヤゴは、正面から見ると下唇が白い歯のように見え、まるで小さなビーバー! じっくり観察すると驚きと発見がいっぱいです。

 隣のため池では、かいぼりといきもの観察を組み合わせたイベントも行われていました。永石先生からは、深い水のため池と浅い水の田んぼでは、生きものの種類だけでなく役割も異なることを教えていただきました。ため池では水質を保つ役割のいきもののマツモムシが多くみられたが、水田で多く見られたシオカラトンボのヤゴやカタビロアメンボは、ユスリカや稲の害虫となるウンカ・ヨコバイなどを食べ、水田の生態系を支える天敵の役割を持つ。ヤゴが動き回ることで表層土壌に酸素を行き渡らせ、栄養塩類の循環作用が高められる。また、カタビロの水面の移動は水面膜を攪拌し、田んぼの底に太陽光が入る効果を高めている。いきもの、環境、伝統的農業の関係がこの谷戸田できちんと営まれている、ということなのですね。

 自然を守ることは、まず自然を知ることから。楽しみながら生きものに出会い、そのつながりを知る市民モニタリングは、ネイチャーポジティブ《自然の損失を止め、回復へとつなげる取り組み》にもつながっています。今回も、泥の中の小さな命に驚き、笑いながら学ぶ、充実した調査となりました。

市民モニタリングチーム シニアプロボノ研究会 15期 長江朝子

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RSSCシニアプロボノ研究会