鶴ヶ城

若かりし頃はがむしゃらに仕事し、そして仲間と飲んで語るという楽しみ方が常だった。その仲間で毎月積立し、海外旅行に行き始めてから約30年になる。その頃からゴールデンウィークと言えばグループで海外旅行というパターンが多かった。

歳月を重ね今では夫婦3組が固定し旅行に行き始めて約15年になる。その最初の旅先はオーストラリアで、青い海と空とオペラハウスのコントラストがまだ目に焼き付いている。年齢を重ね時差が苦手、旅行期間が長くなるなどで旅先は次第に国内に移っていった。北海道、九州(屋久島&鹿児島)、山陰山陽、北陸、紀伊半島、仙台などに行った。それは日頃の疲れを癒し、友情を深める大切な時間だった。旅行は前夜祭と称し全員参加の食事会を行い、皆で意見を出し合い、特に奥様の意見は尊重する。旅行後は反省会と称し思い出話や次の旅行先候補等を話し合う。

生憎コロナ禍で中断していた宿泊旅行を昨年再開した。明治座での新春歌舞伎やその後の新年会で旅行復活になり、一組の夫婦が行ったことがない福島会津若松に行くことになった。そして昨秋、5年ぶりの宿泊旅行に行った。この間年も重ねて最高齢77歳、最年少65歳と6名全員が高齢者となった。メンバーはそれぞれの持ち場持ち味で分担する。ドライバーは高齢になったため多少心配は出てきたが、素人の車に乗っているのを忘れさせてくれるセミプロが担当する。そして旅行の最初から最後まで気配りして楽しませてくれる雑学博士のユーモア担当がいて、旅程を計画し実行に移すツアーコンダクターの存在。まるで一つの家族のように阿吽の呼吸で、役割分担し補完しあいながら旅程を楽しむ。

今回の福島旅行は東京駅に集合し、新幹線で郡山駅に行く。駅前でワゴン車をレンタルし、一般道で景勝地塔のヘつり(上写真左)を見学する。次の大内宿では、高遠蕎麦の名店「松本屋」で一本ねぎを薬味に名物蕎麦を食べる(上写真右)。宿泊先は会津東山温泉、宿自慢の露天風呂で旅の疲れを癒す。作り立ての郷土料理を皆でワイワイ食べる時間は至福だ。翌日は奥様の「鶴ヶ城の天守閣に登りたい」の一言で全員で36mの天守閣へ登る。2023年春にリニュアルオープンした天守閣は5層の体験型博物館としても楽しませてくれる。私も初めて天守閣からの絶景を見た。その後喜多方市まで足を延ばしてラーメンを味わい郡山駅に戻った。上野駅構内の洋食やたいめいけんで反省会、これまでの旅の思い出まで遡り話は尽きない。

旅の思い出はフォトブックに残す。普段は見返すこともないかこの写真も新たなフォトブックが増えるとつい開いて見る。それなりに年を重ねた姿に苦笑するが、揃って旅ができていることに感謝する。人生はこういう旅から得るパワーも大事なんだと思う。今春は茨城県にある人気の国民宿舎に宿泊し、国営ひたち海浜公園のネモフィラを見に行こうと決まった。運よく元旦に宿の予約もできた。

歳月をかけて築いてきた絆は一枚欠けても完成しないジクソーパズルのようで、各自が持ち味を出し合うことで成立する。茨城への旅はどんな旅になるのか、そしてどんな出会いがあるのか、まだまだ旅を楽しみたい。

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