2025年2月9日に開催いたしました『第8回アートセラピー・ウクライナの皆さんとの交流会』の模様を紹介します。今回は日本の参加者5名、ウクライナの参加者4名、合計9名と前回に比べて少数精鋭での開催となりましたが、その分各個人に対するアートセラピーの時間がとても長く、充実した活動となりました。       

 【ナタリア先生・アルクトゥルスの絵】

 今回の2025年第二弾のアートセラピーは、『幼年時代』というテーマで、自由な形で作品を仕上げていきました。子ども時代の懐かしい想い出を描くイメージでスタートしましたが、その後のセラピーの時間を通して、『幼年時代』の思い出から参加者の想像もつかない方向へ話が深彫りされ、それぞれの人生の現在地は、過去の思い出・エピソード・経験などの積み重ねによって形成されていることを実感しました。

 最初に精神科医のナタリア先生の、子ども時代の祖父との思い出話を描いた、『アルクトゥルス』の星を“人生の目印”に例え、その目印さえ見失わなければどんな場所で生きていても道を外れることはないという、少々哲学的な内容で始まりました。

(だから私は、ウクライナを離れて日本で生活していても、”人生の目印”を見失うことはない)

 その後のアート作品の発表においては、幼年時代の楽しい思い出が、現在の自分の“人生の目印”になっていること実感し、頑張ったこと、苦労して克服したこと、少しやきもきしていた出来事などは、時間というスパイスによって自分自身の“経験値という財産”になっていることを、それぞれのアート作品を通して認識することができました。

 そして“もしあの時○○していれば…”と、人は時々、人生の選択の後悔を口にしたりすることがありますが、今回のテーマである『幼年時代』からの思い出やエピソードを丁寧に紐解いていけば、その時々の選択に正解・不正解はなく、それら一つ一つの出来事の積み重ねによって導かれた姿が、現在の自分自身の立ち位置であり、“もしあの時○○していれば…”という後悔の念は、過去から現在、未来へ進む人生の過程において、全く必要のないものであることに気づくことができました。今回は少数精鋭ならではの、実に奥深いアートセラピーを体感することできた大変貴重な時間でした。

 今後も定期的に継続して活動していく計画です。プロボノ研究会の活動にご興味のある方、アートセラピーに興味のある方はぜひお声がけください。                     

 RSSCシニアプロボノ研究会 15期生 中川與和

【連絡先氏名・メールアドレス】
   代表者 ウイックスかおり  rsscsrprobonodsk@gmail.com

この記事の投稿者

RSSCシニアプロボノ研究会