RSSCホームカミングデー2023に寄せて

大野 久(RSSC本科ゼミ担当教授)

 本科ゼミ担当の大野です。今年でRSSCの授業を担当して5年目になります。これまで、本科ゼミのほか「壮年期・老熟期の生涯発達心理学」の講義も隔年で担当してきました。こうした授業を通じて感じたことを書きたいと思います。まず、受講生の皆さんが強い知的好奇心をもって学ぼうとしていることです。これまでのキャリアで得た知識をさらに深めたい、展開させたいという方、今まで学ぶ機会がなかったから、RSSCで存分に学びたいというたくさんの皆さんと出会いました。いままで、心理学の中でしか活動してこなかった私には、知らないことがたくさんあり、大変興味深く、かつ学びになることしきりでした。また、RSSCで仲間を得たいという強い動機づけも感じました。この年代になると、一般的には利害関係なしに友人ができることはほぼ皆無に近く、RSSCの同級生、同窓生の学生時代がよみがえったような交友を拝見していると、大事で有意義なことだなとつくづく思う次第です。

 授業で、生涯発達、人生の意味、価値、生きがいから、魂理論までお話ししていますが、その中にもシニアになってからの向学心や人間関係の重要性が出てきます。また、魂理論で「救われた」とか「気持ちが楽になった」などの感想をいただいてうれしく思います。最近、本来の専門の青年心理の恋愛の発達の講義も、受講生の皆さんに予想に反して受けるということがわかりました。これからもさらに発展させていきたいと思います。こうした経験を通じて、RSSCは中高年のリスキリングの場というよりは、人生のセカンドステージをどう有意義なものにするかというテーマが重要なんだなと思う次第です。このことをお手伝いできるよう今後も頑張る所存です。