RSSCホームカミングデー2023に寄せて
倉沢 宰
RSSC同窓会の皆さん、お久しぶりです。過去3年間、世界中がコロナ禍に翻弄されました。今年の5月から感染症法上「5類」に分類され、生活のノーマリゼーションは徐々に進んでいます。しかし完全に終息するということはないようです。充分気を付けながら日常生活を送る、ニューノーマルという言葉が聞こえるようになりました。私も久しぶりに「RSSCワイン同好会」の春の集いに、そしてできるかぎりではありますが、年に数回「RSSC人権と貧困を考える会」にも参加しています。
このように、普段の生活を取り戻す正常化は進んでいます。しかし世界に目を向けると、特に途上国では、3年間にわたるコロナパンデミックによる社会的後遺症はかなり色濃く残っています。社会的脆弱性はあらわになりました。
バングラデシュは2000年以降、経済成長は順調に進み、国民所得は2010年から2020年までに3倍に増加しました。世界銀行の推計によると、2000年ころの貧困率は50%でしたが、2020年までに20%に改善されました。目覚ましい発展と絶賛されました。バングラデシュは2026年までに、後発開発途上国の地位を卒業すると考えられました。しかしパンデミックの影響で、貧困率の増加と新貧困層の出現、生活費を稼ぐために学校へ通えなく子どもたち、ストリートチルドレンの数も増加しました。先進国の状況と違って、途上国では改善するまで時間がかかるので、社会は大きく後退してしまいました。
知的関心を持ち続けながら隠居生活を楽しんでいます。皆さんもどうぞ、元気でご活躍ください。