タンザニアのさくら女子中学校とキリマンジャロの会

八期生顧問 石原 卓

コロナ禍でもZoomで集まり活動している。RSSCの授業がキッカケで参加している「キリマンジャロの会」(キリ会)。タンザニア・キリマンジャロ山麓アルーシャに日本の援助で開校した「さくら女子中学校」の運営や奨学金を支援する会だ。

RSSCの授業「アジア・アフリカの貧困とNGO」の岩男壽美子教授がさくら女子中の創立者で、先生から学んだ修了生8人が今でもお手伝いしている。

さくら女子中は、岩男先生の理念と情熱そして幅広いネットワークで実現した。理念は『貧困、早婚で教育機会に恵まれない女子に教育する環境を提供し、理数系に強い知日派の女性リーダーを育てる』。日本政府ODAをはじめ企業や個人の大きな支援をえて2016年1月に開校した。2019年11月には最初の卒業生26人を送りだした。

4年制で全寮制の女子中は、今では100名を越える学校となった。毎年行われる高校入学資格の国家試験では全員が合格し、地元では有数の進学校と評価され始めている。

岩男先生は、残念ながら2018年に志半ばで急逝された。しかし、さくら女子中は、先生のご遺志を受継ぎつつ、ICT学習システムなど新たな視点も取入れ前進している。

今年はコロナ禍で中止となったが、毎夏「タンザニア・スタデイツアー」がキリ会サポーターを中心に行われている。私も数年前に参加した。現地の生徒と日本人が触合い理解し合う良い機会だ。何よりも生徒が明るく元気に生き生きと学んでいるのが素晴らしい。スワヒリ語に加え英語・日本語を話せる生徒もいる。大勢の交流の場で堂々とスピーチしていた。「大統領になる」「医者になる」大きな夢を語ってくれた。

一方では現実もある。停電、お湯が出ないシャワー、食事はトウモロコシの“ウガリ”。奨学金がなければ入学できない生徒もいる。図書館の本はガラガラ。PCのネット環境も悪い。PC指導や農業指導の日本からの現地ボランティアが心強いサポートだ。

さて、ツアーの最大のお楽しみがサファリツアーだ。アルーシャは、赤道直下だが高原で過ごしやすい気候。サファリ・ドライブやウオーキング・サファリが堪能できる国立公園が近場に数多くある。キリン・象・シマウマの群れやライオンをほんの数メートル近くで見る貴重な体験をした。コロナが収まりさえすればお薦めです。

コロナ禍はアフリカでも大きな心配事。タンザニア政府のコロナによる全国一斉休校は6月29日に解除。さくら女子中学も授業が再開された。しかし、政府の感染情報や対策は、WHOも懸念表明していて心配だ。日本からは、現地で入手困難なマスク・非接触体温計・液体石鹸を送って感染予防を支援している。

さくら女子中は、着実に成長しているが発展途上にある。教育や運営の体制と資金を確保して“独り立ち”していくには課題もある。貧困家庭の生徒へ奨学金も必要である。キリ会が日本から支援をしていく活動は、もう暫くは必要となりそうだ。

RSSCの皆さん。「支援してみようか」「活動に参加してみようか」ご興味のある方は【さくら女子中学校HP(//www.sakura.vision)】【RSSC同窓会HPキリ会】をぜひ一度ご覧ください。さくら女子中へのご支援宜しくお願いします。

リレーエッセイ「次回は9期の安河内様にバトンをお渡しします」お楽しみに!

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編集チーム 十一期生