どうぞこのまま やめないで ―コロナ危機下での学び−
佐藤壮広
1976年7月に、ボサノバ調の歌が発売された。「どうぞこのまま」(作詞・作曲は丸山圭子)だ
。シンガーソングライター、そして洗足学園音楽大学客員教授としても活躍する丸山圭子は、この
作品で当時のニューミュージック・シーンに新しい風を吹き込んだ。JASRACから請求が入ると困
るので歌詞は引用しないが、YouTube動画で素晴らしい歌をぜひ確認してほしい。
3月から本格化したコロナ危機の影響で、2020年度のセカンドステージ大学の講義は中止や延期
を余儀なくされた。夏の集中講義で予定していた担当科目「歌が照らす人と社会」も、同様である
。しかし、学びの歩みは止めたくない。そこで、私が出講している豊島区の区民大学「としまコミ
ュニティ大学・佐藤ゼミ」と豊島区中央図書館の書評講座を合わせ、更に「としまテレビ(豊島区
の広報・情報番組制作会社)」と相談の上で、オンライン講座をスタートした。5月から毎月第3
金曜日の午前11時から20分間、「本はともだち」というコーナーを担当している。番組は後日、豊
島区の公式YouTube「としまななまるチャンネル」でも公開され、どこからでも閲覧できる。
コロナ危機下で、「学びの歩みを止めない」という受講生や豊島区の担当者らの思いが、こうし
てオンライン講座として実現した。とても嬉しい出来事である。丸山圭子は「どうぞこのまま」で
ひたむきな愛を歌っているが、われわれの学びの情熱もひたむきなものだと思う。5月から手探り
でオンラインやブロードキャスト方式で授業をやってきたが、工夫しだいで学びの場づくりはでき
ると実感している。
幸いなことに、9月からセカンドステージ大学の講義も始まる。「歌が照らす人と社会」も開講
する。一部ゼミを除いて、オンライン形式が主となると思われるが、今まで通りに「どうぞこのま
ま」で、ひたむきに講義を作っていきたい。皆さんを、オンラインの「さとうの教室」でお待ちし
ています!
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