「立春」待ち望んでいた春がやってきた。いつになく寒さを感じることもない冬が過ぎ、春を迎えることができたと思っていたら、今季最強クラスの寒気が南下し、厳しい寒さに見舞われた。1月末に訪れた京都では、「例年なら寒いのですが・・・」の声ばかりを聞いた。寒くて芯から冷えてしまうこともなく、貴重な非公開文化財の特別拝観を楽しみ、贅沢な京都を満喫することができた。妙心寺発祥の塔頭である「玉鳳院」の白梅も満開を迎えていて、一足早い春も感じることができる旅になった。

京都で寒さを感じなかったのは、気温だけではなく人間ドックの結果が原因かもしれない。例年なら10月から11月には受診する人間ドックが、予約の関係で年明けの1月8日になってしまった。年末年始は暴飲暴食に走らないように、体調管理には気を配ろうとした。しかし、夫の実家での新年会では姪の作った餃子を「美味しい!」の声で、14人が200個を完食してしまった。その結果、私の体重だけは大きく変化したまま、1月8日がやってきた。

人間ドック当日は、ベルトコンベヤに載せられたように、次から次へと検査室を回り、視覚聴覚・心肺機能・身体計測・超音波検査などが実施された。心配していた体重測定もかろうじてセーフ、問題は血圧測定だ。鼻から息を吸って口から大きく吐き出しても、椅子の高さ調整をしてもらっても、血圧は上がることはあっても下がらない。血圧測定がスムーズにいかないのは例年通りだ。白衣性高血圧に加えて内視鏡検査のことを考えていれば、血圧が下がらないのは仕方がないと諦めていると、悩みの種である胃内視鏡検査の順番がきた。

先生からは「飲み込み方が上手ですね」と褒められたが、「やっとのことで終了した」が正直な気持ちだ。あとは日本整形学会で提唱している「ロコモ度テスト」のみとなった。「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下していないかのテストである。下肢筋力を調べる両脚、片脚での立ち上がりや、歩幅を調べるステップテストでは、大股で歩くことを心がけていたせいか、すべての項目をクリアすることができた。

そして、すべての検査が終了し待っていると、夫と検査結果の説明を聞く時間がきた。緊張した私たちに「特に大きな問題はありません」から始まり、丁寧な結果説明があった。説明を聞いている時に「かわらない」という言葉が頭の中をよぎった。逆流性食道炎や血圧やコレステロール値に問題はあるし、仕事をしていたときは元気だったとぼやくこともある。しかし、かわらない日々を過ごすことが出来ていることも確かであり、本当に感謝の言葉しかない。

待つこと2週間、検診結果が郵送されてきた。検査結果の説明を聞いていても検査成績表をみるまでは心配であった。大きな指摘項目もなく、心の重荷が少し軽くなった気がした。軽くなった気持ちと共に「そうだ、京都いこう」の謳い文句に誘われ、二人の世界を広げるために令和3回目の京都に出かけた。(7期生 金子)

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