第99回目の川口豊川稲荷講の初詣に今年もバスで参加した。豊川稲荷講とはあまり耳にしないと思うが、年間500万人の参拝客が訪れる愛知県豊川市に本講がある。私の住む川口市は鋳物、植木、竿の歴史ある産業がある。中でも鋳物は江戸時代に発展し、昭和30年代頃は市内に600軒以上の工場があり、関連する木型製作機械工業、それに従事する人を合わせると小中学校全校生徒数の半数以上が関係していたのである。火を扱う鋳造は稲荷様を信仰するため、講元初代は鋳物業であったが、今年4代目は転業してマンションを経営されている。
豊川稲荷は寺号を「妙厳寺」とする寺院だが鳥居もある。それはその昔の神仏習合によるものだが、神仏分離令を乗り越えて鎮守稲荷の信仰を集めたそうで、東京別院は赤坂御用地に隣接したところにある。 今回は2月下旬に訪れたのだが、かなりの人出であった。参道?境内には白旗と狐の石像が寄進され商売繁盛の神様を物語っている。(因みに伏見稲荷は赤い鳥居)
本堂で丁寧なお経を聞き、100 畳敷の宿坊でご神酒付2段膳を食し、バスは三河湾を眼下に夜景と朝日の美しい景観を眺望できるホテルへ。
この2泊3日の講は宿坊には泊まらず近隣県を巡る旅を兼ねており、翌朝早出で長野県へ。途中駒ヶ岳SAで中央アルプス木曽駒ヶ岳を目前に、南アルプス北岳、間ノ岳、農鳥岳を、遠く北アルプスの山(乗鞍岳?)が真っ白クッキリと、3アルプスが同時に見えたので気持ちが舞い上がった。
そしてバスは歴史的建造物松本城へ、戦の攻め守りに工夫あり、城内は階段1段の高さが40㎝もあり、武士は鎧をつけて不便極まりないことを痛感した。 味噌蔵、酒蔵を見学。川口には酒屋がないのかと思うほど沢山の酒を買い求める一行、これもふるさと納税に協力か。
2日目の夜の宴会には川口市長もプライベートで駆けつける。多数が事業経営者であることは市長としても大切な友人と思う。宴会は芸達者揃いでカラオケはもちろん、プロのミュージシャン、プロのカメラマン、木遣りの大御所、有名な画家、そして華やかな私のフラダンス、もちろんドレスとレイを着けて一人で踊る。
講は参拝が主だが付随して巡る古都と歴史や風景など、都会をはなれて清々しい空気を満喫する実り多き旅なのである。来年もと思っていたところ既に100回目の案内状が届く手速さ。川口にもいろいろな講が(成田山、大山講、古峰講、雨引き)あるが100回続いているのは他にない。旅の魅力は新鮮さを求めがちだが、え!そっちなの・・・と思われるかも知れないが……。
同行者の顔ぶれが同じでも人生先輩の老年若者(上は88歳)に感動と手本、そして仕舞方のヒントがある。又来年も乞う。(7期生:岩田)
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