2019年の第95回箱根駅伝は、青山学院大学の総合優勝ならず。青学の5連覇を阻止したのは伏兵東海大学でした。大会新記録の総合初優勝とのこと。あっぱれでした。
正月の恒例行事となった大学駅伝の応援も終わり、2019年の正月も穏やかに過ぎようとしています。皆さんはどんなお正月を過ごされたのでしょうか。
思い起こせば昨年は12月半ばに引越しをして、段ボールに囲まれた状態での駅伝観戦でした。あれからもう一年たったのか!っと、時の流れの速さをつくづく実感しています。

「素敵なお兄さんたちが一生懸命走っていてかっこいいなー!」との想いで大学駅伝を観戦していた小中学生の頃。当時のお正月は母が手作りのおせちを食卓いっぱいに広げて、二人の姉と伊達巻の争奪戦を繰り広げていたものでした。ただし伊達巻は確か紀文だったと思います。母の手作りの一番はやはり黒豆。そして浜松という母の土地柄からか、アユの昆布巻き。天竜川の上流でとれたアユを、母の実家は囲炉裏の遠火であぶり、黄金色になったアユを藁で縛って天井からつるしていました。そのアユを普段は甘露煮にするのですが、正月になると昆布で巻いて、実に香ばしい香りのする昆布巻きを作るのです。今ではつるしたアユなどほとんど手に入らず、この絶品は私の正月の想い出の中だけの味と香りになってしまいました。

「彼氏にするにはどの選手が良いかなー!」という不純な思いで大学駅伝を観戦していたのは、やはり高校・大学時代。躍動している逞しい筋肉や、辛くて苦しみにゆがんだ顔が色っぽい!!などとほざきながら、やはり母の手作りの黒豆をほおばっていたものです。このころは母も歳で、昔ほど丁寧なおせちづくりをせず、黒豆以外はどこかの料理屋の三段重ねのおせちを注文して手抜きをしていました。「煮しめは私の方が美味しいわね!!」と、少しだけ誇らしげに出来合いのおせちを食べていた母を思い出します。私は本心、豪華で見栄えの良い三段重ねにすっかりご執心で、イセエビを分解したり、栗きんとんからクリだけつまみ出して食べたりしていました。

「かわいい息子みたいな子たちが一生懸命走っている姿は、母性をくすぐるのよね!!」いつの間にかわたしは母になっており、息子は大学生。いまいち運動が苦手な我が家の息子は、大学駅伝を眺めながら「寒くて疲れるのによくやるよな!あんな坂道走ったら、心臓破裂しちゃいそうだよ!!」と言ったかどうかはさておき、そんな眼差しでこたつに埋もれてみかんを食べていました。そして、我が家のおせちは私の母直伝の黒豆を初めとして、一つひとつ手作りです。愛する家族のために、おせちくらいは!と年末から奮闘して、私のプライドにかけて作り上げたものでした。おかげで今でも子供たちの胃袋はしっかりつかんでいるようです。

「おやまあ、孫みたいな男の子たちが、今年も頑張って走っているね!」なんて感じるのはあと何年後でしょう。そう遠くはないことと思いますが、第95回をどんどん超えて何回目になっても、箱根駅伝は毎年同じ世代の若者の戦いの場です。それに反して、見ているこちらはどんどん老けている。

「あと何回この箱根駅伝を見ることができるかな!」最後はこうなるのでしょうか。

毎年この箱根駅伝をどんな思いで観戦するのか、時の流れの速さに戸惑いながらこちら側の意識の変化を思い起こして感傷にひたるのも、なかなかおもしろいものだなぁ!と実感してしまいました。
2019年、今年も忙しい人はほどほどに、そうでない人もそれなりに、楽しく穏やかに過ごしてまいりましょう。(2019年1月3日記 7期生:梅原)

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