「知は力なり」

銀行に就職して当初の10年間は悩みました。勤務先の「ノルマ達成」を優先せざるを得なかったからです。1994年に日本FP協会のFP資格を取得しました。会員倫理規定「顧客の最善の利益を追求しなければならない」という理念とは裏腹に、同僚との酒の話で「個人的にはおススメだとは全く思わないけれど、ノルマがあるから売るのが当然」といった販売者都合でお客様に無理なお願いをしたケースは至る所にありました。消費者に必要な公平・中立な情報は販売者からは語られないのです。2017年に金融庁長官は「正しい金融知識を持った顧客には売りづらい商品を作って一般顧客に売るビジネス、手数料獲得が優先され顧客の利益が軽視される結果、顧客の資産を増やすことが出来ないビジネスは、そもそも社会的に続ける価値があるものですか?」と警鐘を鳴らしました。金融商品に限らず販売者の口車に乗らないためには、まずは自分自身で知識を付けて防衛する事でしょう。米国や英国では、お金を使いこなすための金融経済教育が行われています。RSSCで「シニアの資産運用と生活設計」を講義していますが、新しい知識に触れ金融知識を身に付けている受講者の増加は喜ばしい限りです。
人生100年時代。高齢化が進み「資産寿命」が先に尽きてしまうと心配される時代です。老後の豊かな生活設計に必要な事柄をひとりでも多くの方に学んで欲しいと思っています。知識はあなたの力になるでしょう。

安東隆司(あんどう りゅうじ)
TVコメンテーター、作家、投資助言会社経営、CFP?
立教セカンドステージ大学講師

 

この記事の投稿者

十期生・ 編集チーム