今年の夏は最高気温が日々更新され、猛烈な暑さが続いた異例な年だった。そんな季節が過ぎ去り秋風を感じる頃、異常気象の影響が身体に「ドドット」押し寄せる。身体の異変を感じて病院へ行くことがあっても、定期の「健康診断」をどれ位の方が受診しているだろうか。
先々月の報道で、健康診断の結果を判定する機関が「要精密」である疑いを数年間見過ごし、その対象者が亡くなっていたとの内容だった。そんな報道を目にすると、健康診断を受けたところで全ての異常を見つけ出されるわけでもなく、時間とお金を掛けて受ける意味あるの?自治体によって、対象者に無料の検診チケットを送付している所もあるが、今更健診なんて・・・と折角の機会を無駄にしている方もおられるかもしれない。 しかし、その判断に「待った!」と大きな声で警告したい。
それは毎年受けている健康診断ではあったが、今回の結果に要精密が2箇所出たからだ。前年までの結果といえば、BMI指数と脂質代謝検査にチェックが入る程度で、今まで大病をすることがなかっただけに、病気は縁遠いと信じきっていた。しかし検査後は、やっぱり「還暦を過ぎれば、異常が出てもおかしくないよね」「2人に1人は、癌になるとの統計が出ているんだから」と納得させる自分と、これは日本最先端医療を体感するチャンスだと、好奇心バリバリの自分が交差しながら有明の病院へと入院。
初めての手術に「ドキドキ、ワクワク」いざ出陣!! 3階の手術室は23室あるとの説明を聞きながら、通路両側にパソコン10台程並んでいる所で名前と生年月日を確認し歩いて手術室へ行く。手術台は意外と狭いけれど、ほっこりと温かく心地良い低反発マットに感激し、俎板の鯉状態であったがキョキョロとTVで紹介されていた最新鋭の手術ロボット「ダヴィンチ」は、どこ?と探していた。
まずは16日間の入院だったが、手術前後に食事制限があったにも関わらず、体重は5㎏しか減っておらず不謹慎ではあるが有明ライザップもありかも~と期待していたのに「大腸を手術しても体重は落ちませんよ」と担当看護師からの期待外れの言葉にがっくりしてしまった。そんな冗談を言えるのは、6時間掛かったが身体に負担のない腹腔鏡手術。術後15時間後には、自立歩行で洗面台に移動しQOL(生活の質)をクリア出来た事が大きい。
また、期間限定であるが「腸のぜんどう運動」を肉眼で確認して触れられたことは、衝撃的で無垢なる内の臓の健気な動きは、とても緩やかではあったが人間の活力を感じる愛おしい瞬間だった。これから化学療法が続き「がん克服」までの長い歩みになるが、今年110周年を迎えるがん専門機関の最先端研究成果は、実際の治療に活かしている医学研究成果あっての医療向上であることを忘れてはならない。
RSSC「地域ケアと看取り」の秋山正子先生は、2016年10月にオープンした豊洲に「マギーズ東京」(がんのケアリングセンター)がんへの「新しいケアのかたち」として、病で自分を見失いそうになった時、自分を取り戻す場所になっている施設でセンター長をしておられる。この施設は、大勢の方のチャリティー(寄付や協会)で運営し無料で利用できる。病で悩んでいる多くの患者の方や家族へ是非知って頂きたいと思う。
公共交通機関においては、「ヘルプカード」(障害のある方が支援を必要とする時に、周囲の方に手助けをお願いするために使用するもの)を身障者施設や公共交通機関の駅等で配布している。赤いカードに、白く十字とハートマークが抜いてある目立つマークです。外見は健康そのものに見える私ですが、外出時はバックに付けて緊急時に備えています。(少々抵抗はありますが、いざという時のお守りです)
病に様々な「ケア」があることを多くの方に知って頂き、早期発見のため定期診断を受診され、生きるチャンスを逃さない事を願わずにいられません。
RSSCで出会った皆様に、幸あれ!!
(7期生 梅本)
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