いろいろ手抜きもしていますが(笑)、新しい年を迎えるのだからこれだけは、と思うことはなんとかやっています。まずは、庭木の手入れです。夫がバブルの頃に借地権だった土地を買い取り、義父が丹精して造った庭部分を残して建て替えた家に、この二十年余り住んでいます。だから、うちの庭には大きな椎の木や岩石などの今どき珍しい古風な部分があるのです。おまけに、私の実家の庭からもいくつか運び入れて、さらに草木を増やしてしまいました。両親亡き後、実家を更地にして売却し、経費を引いた額を弟と折半したのですが、母が残したがっていた灯籠と蠟梅を弟夫婦にいらないと言われ、どうしても捨てることができませんでした。長寿の時代となりましたが、残念ながらうちの両方の父母たちには恵まれず、せめて私はあの人たちが大切にしていたものを慈しみたいと思っています。昨年は11月に植木屋さんが来てくれて、紅葉の季節の庭がとてもきれいでした。
しかし、植木屋さんは足元まで十分にはやってくれません。私のやることがまだいろいろあって、先日、お正月にふさわしい赤い実のなる万両とこの庭に昔からある小さな灯籠がよく見えるように、ツタや葉ランを刈り込みました。45L入りの袋2つ分の枝・草・葉。今回も「行政は働き者の味方だよ」と自分を励まして、袋を収集所に運びました。決まりを守れば無料でいくつでも出せるのがありがたいです。でも、この庭は実は少し病んでしまいました。東日本大震災の後、初めての雨がこのあたりに降ったからです。(ちなみに、地震の時にはこの家の大きい灯籠が倒壊しました。)市に「除染」を依頼したら、問題の排水溝あたりの土を取って、うちの庭の隅に穴を掘って埋めていました。外に出すことは許されない、これが21世紀の良識というものかと思い、電気を使う代償として甘んじて受け入れました。
昭和の時代の夢だったマイホームが、うかうかしていると「ゴミ屋敷」、「負動産」と呼ばれてしまう昨今です。だけど、本当は玉石混交なのです。元気を出して、根気よく選び出して、片付けていきましょう。門の横の土の所に配置した石も貝殻も、実家の玄関の脇にあったものです。8年前の冬、仏壇のあった床の間と、重い障がいを持った父が長い時間を過ごしたベッドのあった畳と、母の亡くなったお風呂場の上にお酒をまいて、泣きながら実家が引き倒される姿を見ていました。今、その形見はわが家の入り口で、花といっしょに私達を見守ってくれています。
そして、今度は戌年ではないですか。ここはドンと前面に出させていただきます!
郵便受けにいとしいコロちゃんの真新しい写真を貼りました。5年近く前に16歳で亡くなった愛犬の、1歳前と10歳の時の写真をラミネート加工したものです。新年のお客様も、家族も、郵便屋さんも、どなたでも、ピンポンする時、通る時にどうぞ見てください、と思って飾ります。
晩秋には初孫が生まれ、未来が開けた心地がします。「福は内」と願う気持ちが強くなりましたが、「鬼は外」とは申しますまい。言えば心に鬼が宿ってしまいそうです。
福は分け合い、めでたさは中ぐらいでも少しでも十分だと思っています。
最後になりましたが、謹んで、新春のお慶びを申し上げます。
みなさまがたが健やかで佳い一年を過ごされますように、お祈りいたします。
(7期生:安孫子)
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