4期生 金子多美江さん

「日本子どもの本研究会全国大会」で、実践研究賞大賞受賞!!

4期生の金子多美江さんが、今年7月29日、日本子どもの本研究会全国大会で、実践研究賞大賞を受賞しました。

「日本子どもの本研究会」は、子どもの本と読書の普及に向けた運動、実践研究を行い、その向上を図る目的で1967年に設立された団体で、今年は設立50周年を迎えました。

50周年記念事業の一環として創設された第1回目の実践研究賞大賞に、金子さんのフィリピンへの支援活動が選ばれたのです。

賞の対象となった支援活動についてご紹介します。

金子さんは現在、「フィリピンに本をおくる会」を主宰し、フィリピンの山岳地帯マガタの少数民族の子どもたちに、たくさんの本と文房具などを届けるとともに、現地に3つの図書館を建てました。子どもたちに、山奥の小さな世界から広い大きな世界への窓を開き続けてきました。

 

金子さんは、小学校の教員を退職した22年前、初めてフィリピンの山岳地帯マガタを訪れた時、厳しい自然環境と貧困の中、学校も電気もなく、山岳少数民族というレッテルを背負った子どもたちの力ない姿を目にし、また「学校がほしい」「自立したい」という住民の要望に応えようと支援を決意しました。

その時持参した絵本を見た時の子どもたちの目の輝きに、日本から本を送ることを決めたのでした。

当初、「海外教育支援協会」を立ち上げ、絵本を集め、現地住民が使用するタガログ語に翻訳したものを日本文の上に貼り付け、交通手段のない現地まで荷物に詰めて運びました。やがて学校を建て、これらの本を教科書代わりに読み書きを教え、初めて自分の名前が書けた時は親子ともども嬉し泣きしたそうです。

2000年、送った本を集め、第1図書館を建設、大人も子どもも本の到着を待ち焦がれていました。本は村の宝となり、文字の読めない大人たちには子どもたちが読み聞かせをし、本はまさに「世界に向かって開く窓」となったのです。また第2図書館が完成すると、さらに高度な本を求めるのですが、中々対応できず、いろいろな方たちの支援で継続してきたのでした。

2015年、「海外教育支援協会」は会員の高齢化に伴い解散となり、支援活動の危機を迎えますが、RSSCの4期生を中心とした仲間たちが応援団を結成し、新たに立ち上げた「フィリピンに本をおくる会」の活動を、支えることになりました。

それから早3年目、図書館は3館に増え、これまで送った本は6000冊を越え、この地方一帯の文化センターの役割を果たしています。

金子多美江さんは、RSSCの仲間やその他の方々の寄附や支援活動等の協力を得て、この活動を出来る限り継続していけたらと話します。また、本が子どもたちにどんなに幸せを運ぶものなのか、子どもたちの輝く笑顔に想いをはせながら、これからの活動への思い、本の素晴らしい力について語り続けます。 (文責 大戸澄子)

 

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四期生会