「環境保全とコミュニティ形成」担当の永石文明先生主催による「ネイチャーポジティブは、“行動”からはじまる。」をテーマの「いきもの観察」が、長野県御代田町のWasserの森にて7月31日から1泊2日で実施されました。研究会では開催準備より参加してきましたので、その様子を報告します。

ネイチャーポジティブとは、自然を守るだけではなく、失われつつある自然環境を回復させ、生物多様性をより豊かな状態へと導いていこうという世界的な考え方です。その実現には、自然を知り、自然と関わり、一人ひとりが地域で行動することが大切になります。今回のフィールドワークは、その第一歩となる「知る・感じる・行動する」ことを目的としています。
会場となったWasserの森は、浅間山の麓に広がる里山で、森林・農地・水辺を一体的に保全・活用し、人と自然が共生する循環型里山づくりを進めています。自然体験や環境教育の場としても活用され、生物多様性の保全と地域の未来につながる活動が行われています。
初日は、永石先生の友人であり、環境教育関連を担当している奇二正彦先生も加わり、まずWasserの森全体を見て回りました。森に隣接する川辺や管理する田畑も巡りながら、Wasserの森の活動や里山保全への取り組みについて説明を受け、自然環境を守り育てる現場を実際に見学しました。

2日目は早朝の散策から始まり、鳥や昆虫、植物、菌類の観察を行いました。併せて70種もが記録されましたが、中でもオニヤンマを手に取りその複眼や翅のつくりの観察や、ハラビロトンボの雄と雌を見比べる観察などはワクワクの連続でした。コナラの樹液にはアオカナブンやカブトムシが集まり、準絶滅危惧種で国蝶として知られるオオムラサキにも出会うことができたことはまさに驚きです。また、実生から育ったアカマツの若木が群生する様子や、多種多様な植物が生育する環境からも、この森が育む豊かな生物多様性を実感することができます。

この森は多様な生きものが生息する貴重な里山であり、その保全活動の積み重ねから環境省が認定する*「自然共生サイト」*を目指せる可能性もあるとのこと。一方で外来樹種であるニセアカシアが見られ、今後は適切な伐採などの管理が必要であることを先生よりご説明いただきました。自然を守るためには「そのまま残す」のではなく、必要な手入れを行いながら豊かな環境を未来へつないでいくことが重要なのですね。
森の中にたたずむ素敵な母屋やログハウスでの宿泊や自炊も楽しく、特に2日目の昼食ではWasserの森自慢の薪窯で焼き上げた絶品のピザも堪能することができました。

今回のフィールドワークは、いきものを観察するだけではなく、自然の価値を知り、その豊かさを未来へつないでいくために何ができるのかを考え、実践につなげる貴重な機会となりました。
【自然共生サイトとは?】
自然共生サイトは、企業や団体、地域などが生物多様性の保全に継続的に取り組んでいる区域を環境省が認定する制度です。30by30(2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する国際目標)の実現に向けた重要な取り組みの一つとして位置付けられています。

※写真最前列右端が獣医師で【Wasserの森】代表の 園尾美子さん
【Wasserの森】 https://www.wasser-forest.com/
RSSCシニアプロボノ研究会 15期 長江朝子
【連絡先氏名・メールアドレス】
代表者 ウイックスかおり rsscsrprobonodsk(アット)gmail.com
(アット)を@に置き換えてお送りください
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