私、学生時代に着ていたスカートを今も愛用しています。あまり体形が変化していないことを自慢しているのではなく、半世紀近く経ってもまだ現役として活用できるスカートが自慢です。

それは、とある服装学院で教えていた姉が作ってくれたもので、正真正銘のオーダーメイドです。他にもスーツなどがあり、リメイクしながら今も重宝しています。流行に左右されないベーシックなデザイン、そして何といっても素材と縫製の良さが長く着ることができる秘密です。

思えば子ども時代は、ほぼ母の手作服を着ていました。例外はよそ行き服で、洋裁を生業とする叔母に頼んでいました。採寸、デザイン・布選び、縫製。時間がかかる分、手元に届くのをどんなにか心待ちにしていたことでしょう。私には姉が3人いますので、3人分のおさがりを何年間も着ることになるのですが、憧れの服を大事に着るという習慣はその頃に培われたものです。ボタンもすべて手作りでしたから、今思えば相当な贅沢だったのですね。

時間が経過して、大量生産、大量消費の時代になって久しいです。私は服を手にしたとき、必ずタグを見て、素材と生産国を確認します。ファストファッションの流行とともに国産、自然素材の服を手に入れることが難しくなっています。現在日本で販売されている衣服の96%は海外からの輸入です。中国製がほとんどですが、ベトナム、インドネシア、バングラディシュなどの労働力の安い国で生産される商品が増えています。安価な分、使い捨て感覚で購入してしまった衣服がクローゼットの中でひしめき合う状態です。そして、この大量の衣服の手放し方にずいぶん長い間悩まされ続けています。

あなたは1年間にどのくらいの服を買っていますか?
フランス人は年間40着、日本人は20着の服を購入し、半分から3分の2を廃棄しているという調査報告があります。2000年代に入り断捨離ブームが始まると、衣服の断捨離は世界的な流行となりました。2010代、日本では年間100万t、アメリカでは1,300万tの衣服が廃棄され、そのほとんどが焼却されました。その際に発生した大量のCO2が地球温暖化と気候変動に大きく影響しています。

国際貿易開発会議はファッション業界を石油産業に次ぐ環境汚染産業と指摘しています。服を作る際には大量の水(2300ℓ/1着)やエネルギーを消費するばかりでなく、 CO2(25.5㎏/1着)を排出し、さらには染色による水質汚染を深刻にしています。このような現実を目の当たりにし、断捨離と言う名のもとに大量廃棄を続けていいのかという疑問がわいてきます。

地球環境の悪化を前に、2018年頃からファッションの世界でも、やっとサスティナビリティに対する意識が高まってきました。特に環境先進国のフランスでは、環境への配慮、社会的責任を追求する試みが始まっています。2022年フランスでは企業が売れ残った服を焼却や埋め立て廃棄することを禁止する法律が施行されました。廃棄の代わりに再利用やリサイクルや寄付をして処理することを義務付けたのです。

しかし、パリのいくつかのブランドは、根本的な解決に向けて、販売後の廃棄処分よりも不必要なものを作らない、可能な限り自然素材を使って国内で生産し、低賃金に頼らないという方針を打ち出し、行動を起こしています。

日本でもリユース・リサイクル・リデュースの道を探り、2024年には服の廃棄量は半減しました。とはいえ、様々な素材が混じった服の資源化は難しく、最終的に焼却されているのが現実です。長く大切に使える服こそが本当の価値であることを企業も消費者も意識して持続可能なファッションを選択したいものです。(7期生 齊藤喜久枝)

※右上イラスト出所:環境省 サステナブルファション(←clickしてご覧下さい/事務局)
※左上写真:投稿者自宅マンションでのフリーマ―ケット(0円均一)

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