ダラット(ベトナム)にて

栗田和明(RSSC本科ゼミ担当教授)

                   ダラットにて

   私は今年度(2024年)も本科のゼミと、秋学期の「修了生が語るアクティブシニアの生き方」を担当しています。近況報告です。

 私はフィールドワークを身上としてやってきましたが、コロナには勝てず、しばらく国内のみの行動になっていました。今夏は久しぶりにベトナムを訪問することができました。

 ベトナムでアフリカ人と多く接触できるのは、南部のホーチミン市(旧称サイゴン)です。ホーチミンは大河メコンが貫流する地で、日本の夏と同じように暑くてすぐに参ってしまいました。そこで、1500メートルの高地にあるダラットに避難して、かなり長く過ごす、というひ弱な生活を送っていました。

 低緯度地域にある国々が植民地化されたとき、ヨーロッパから来た行政官などは、その暑さに耐えられず、高地の避暑地を開発しました。ダラットは、インドのシムラ―、マレーシアのキャメロンハイランドやゲンティンハイランド(後者は植民地由来ではない)、などに連なる存在です。さらにアフリカではケニアのナイロビ、ジンバブウェのハラレ(旧称ソールズベリー)、ザンビアのルサカ、マラウィのゾンバなども植民地運営のなかで高地にひらかれた都市です。やはり暑いところが苦手な人も多いのです。

 つまり、高地を目指すのは私を含めたベトナム訪問者が楽をしたいからだけでなく、先人をフォローしてその軌跡を知ることもできるのです。と避暑地に居た言い訳もできるでしょう。

 ダラットではイチゴ、ブドウなどの栽培が盛んで、変ったところではホップの畑も見かけました。観光客それなりに多く、ミニホテルが林立しているところもあります。ハングルで表示された看板が多く、韓国からの観光客がとても多いことがわかります。

 多くの地で共通ですが、ダラットでもマーケットは活況を呈しています。売り子と買い手をながめてしばらく過ごすのは、楽しいものです。ときにはスケッチを残すこともあるので、以下に紹介します。

                                                    ダラット市場前で

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編集チーム 十六期生