「東海道品川宿をたずねて」
2022年5月21日、梅雨の季節を先取りしたような空模様のもと、加藤先生とゼミメンバー7人で「旧き町並みをたずねる」シリーズ第2回目として、東海道品川宿をたずね歩く会を開催しました。
品川宿は日本橋から約二里、東海道最初の宿場町。それに加え品川浦という湊町として漁業、物流拠点においても栄えた古い町です。
広重の絵にも描かれたように、江戸時代は東海道のすぐ脇まで海岸が迫り、当時の茶屋の様子を詠んだ句に「品川は膳の向こうに安房上総」と、風光明媚なところであったことが伝えられています。
現在の東海道品川宿は江戸の頃の道幅、道筋がそのままに、北品川の八つ山口から鈴ヶ森口まで約3.8㎞が歴史遺産として残されています。石畳で整備された道の両側には下駄屋、疊屋、八百屋、魚屋、お茶屋などが賑やかに軒を連ね、古い町並みを今に伝えています。現在は屋形船の船溜まりとなる品川浦を左に見て西に進むと、右手に現れる路地の向こうには、寺や神社の門が多く見られ、境内の深い緑と共に、この町の静かな姿を感じることもできます。
今回の町歩きのスタートとなる北品川駅前の案内地図に「ゴジラ上陸地点」の文字がゴジラの絵と共に八つ山橋のところに記されています。もちろん映画の話からです。またゴールとなった立会川駅前には、何故かマスク姿の坂本龍馬の像が佇んでいました。説明文によると龍馬二十歳の頃、立会川河口の砲台の警護にあたっていたとのこと。
会食で訪れた「立会川吉田屋」は、山岡鉄舟も贔屓にしたという創業安政三年、旧東海道に面した老舗の蕎麦店。160年余り続く店の歴史と、往時の東海道の賑わいを思い浮かべながらいただいた十割蕎麦の味はまた格別でした。
加藤ゼミ 佐藤勇一