修了生と「ブラトキオ」

上田信

 修了論文の多様なテーマの1つに、自分の住んでいるところを見直す、というものがあります。歩いて、調べて、そして発見したことを言葉にする。慣れ親しんだ土地に潜んでいた驚きが、論文に結実するのです。修了生のなかに同窓の仲間に声を掛けて、NHK番組「ブラタモリ」にならって、町歩きを企画した方がいます。名づけて「ブラトキオ」。その後も案内人を替えながら、同じゼミナール以外の知り合いにも声を掛けて続いています。
 川越在住の方に案内していただいて江戸時代に水運で栄えた新河岸川、浅草をめぐって神谷バーで名物のデンキブラン、鉄道ファンの修了生の案内で埼玉の鉄道博物館、假屋崎さんの「華の祭典」に合わせて目黒雅叙園百段階段、所沢の航空記念公園(写真)を参観したあと西武球場までの散策、などなど。いずれも新鮮な発見の連続でした。
 2020年度から新型コロナウイルス蔓延の影響で、「ブラトキオ」は休止となってしまいました。しかし、昨年度にも身近な土地をめぐることをテーマとした修了論文が提出されています。今年度の夏にも歩く中で発見を目指そうとする受講生がいます。また、オンライン開催となった「合宿」では、池袋界隈・巣鴨のスポットを紹介するセッションがありました。RSSCで知り合った仲間で、歩き見て、食べる。いずれ遠からず、散策後に酒を酌み交わす日もやってくるでしょう。

 

この記事の投稿者

編集チーム 十一期生