オリンピック・パラリンピック・レガシー研究会
新保美香(10期生)

 2021年7月29日、横浜スタジアムで東京2020大会の大会ボランティアの活動を行う事が出来ました。私は元々、イベントサービスという役割で活動する予定でした。イベントサービスというのは、「観客の案内、チケットチェックや荷物等のセキュリティチェックのサポートを行う」という仕事でした。ご存知の通り東京オリンピックは無観客で行う事が決定し、一度は活動予定が白紙になりました。それでも、応募者に何とかボランティア活動をしてもらいたいと、イベントサービススタッフが「ファウルボール、ホームランボールの回収」という役割を創り出してくれました。活動は1日5時間半のみの活動ですが、Field Castとして活動できることが、本当に嬉しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 17時半に横浜スタジアムに集合し、活動の説明を受けました。説明を受ける部屋には大きな立て看板があり、スタッフの方から「これは観客の案内のために作られた看板です。無観客になって使われなくなりましたが、このように準備を進めてきました」という話を聞きました。また活動するスタンドに向かう入り口には小学生が育てたメッセージ付きの朝顔の鉢植えがたくさん並べられていました。「観客の皆さんが入場する時に受ける、セキュリティチェックは物々しく、また時間もかかるため、少しでも気持ちを和ませられるように小学生の皆さんが準備しました」と聞き、ここにもおもてなしの気持ちが込められているんだと感じました。球場に着くと、「オリンピック仕様の横浜スタジアムはブルーを基調としたとても美しい光景です、普段との違いも楽しんでください」と教えてもらいました。私はリニューアルされてからの横浜スタジアムに入るのは初めてでしたが、いつもは色々な広告が展開されている壁がオリンピック仕様でブルーに統一され、横浜スタジアムのブルーの座席と合わさってとても綺麗な光景が展開されていました。グラウンド内は写真撮影が禁止のためご紹介できませんが、今後テレビ中継などで、どうぞご覧ください。オリンピック限定の光景です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 活動は通路に立ってファウルボール、ホームランボールが来たら、回収するというだけでしたが、「韓国対イスラエル」の試合を担当し、観戦することが出来ました。観客としてではないので、応援はなるべく控えるとの事でしたが、心の中で応援していました。活動も一塁側、三塁側の通路に立つことが出来て、違う角度でグランドを見ることが出来ました。ここにもイベントサービスのスタッフが、私たちボランティアが少しでも活動を楽しめるように色々と考えた思いやりを感じました。私はボールの回収は出来なかったけれど、何本もホームランを見て、延長戦までもつれた試合を見届けることが出来ました。

 活動が終わって記念にもらったピンバッチもとても可愛らしいので、紹介します。「メルカリで売らないでください」という言葉に、そういう行為もあるのだと残念な思いもしました。

 今回の東京2020大会は思いもよらない形での開催となりました。色々な問題が露呈され、今も新型コロナ感染者の数の増大が止まりません。開催も正しいのか正しくないのかわかりません。私たちオリンピック・パラリンピック・レガシー研究会の中でも、開催に反対する、ボランティアを辞退する、という意見が出ていました。それでも、今回の活動で、選手だけでなく、競技を行うために準備をしてきた陰で働いている方がたくさんいて、色々な想いが込められて大会が運営されていることを感じる事が出来ました。かけがえのない体験でした。今は無事に大会が終わることを祈るばかりです。

 大会が終わった後に、オリパラレガシー研究会でリアルに会って振り返りが出来ることを楽しみにしています。

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