怒られたり、励まされたり

 10年目を迎えて、ホームページやニュースレターの充実に、皆様のお元気そうな様子や活動の豊かさ、見えない所でのたくさんのご労苦と、皆様が協力し合っている事が伝わって来て、懐かしさや驚嘆を覚えています。

 皆様に教えていただいた事で最も忘れ難い事。それは、生きる事は、失敗と失意を感じた、そこから始まるという事です。

 「学ぶ」という事は、新しい知識を吸収するだけではなく、わかったつもりになっていた自分や無理解な自分に気づく事。ダメだと落ち込んで撤退するのではなく、自分の卑小さを受け入れ、自分の囚われから解放される事。新しい自分に変えられていく事。今までとは違う方法で自分や社会や世界を問う事。変革と刷新を恐れない事。真理を探求し続ける喜び。

 これらの事を、ある時は厳しい言葉で、ある時はあたたかい励ましの言葉で、存在の重さがかかった言葉と思いで教えてくださった出会いは、私にとって大切な思い出であり、宝物です。教会は、2000年間「主の祈り」を大切に祈り続けて来ました。主イエスが教えてくださった祈りです。

 デモーニッシュな力が渦巻いているこの時代、失望の故に諦めて目をつぶりたくなる事があります。だからこそ、目を醒し、光と希望を見出す為に「主の祈り」を授業で取り上げたいと考えています。「主の祈り」には、キリスト教のエッセンスが詰まっています。ご一緒に今を生きる道を探求出来たら嬉しいです。

伊勢原教会牧師

立教大学兼任講師

新井美穂

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九期生・編集チーム