二期の会「第二回歴史・文化講座」~平安時代初期の政変と貞観御霊会~報告

              1活動日 2016年12月12日(月) 14時半~16時半

              2場 所 セントポールズ会館「芙蓉」 

              3出席者 20名           

二期の会では、RSSC修了後に更に学びを続けている会員にその学びを発表していただく機会として、今年「歴史・文化講座」を企画した。第1回は7月に独学で5年余古代日本史の勉強をされている清岡肇さんに「三種の神器」について解説していただいた。

今回2回目は山﨑郁夫さんに「平安時代初期の政変と貞観御霊会」というテーマでお話しいただく機会を設けた。RSSC修了後は奈良大学文学部文化財歴史学科(通信教育学部)で学ばれ、昨年春に見事卒業されたので、今回はその卒業論文を中心にご説明いただいた。スクーリングには何時も東京から夜行バスで通われたとのことである。

山﨑さんは六国史(『日本書記』、『続日本記』、『日本後記』、『続日本後記』、『文徳天皇実録』、『日本三代実録』)を中心に研鑽を積まれ、講座は「日本三代実録」の漢文の読み説きから始まった。

お聞きしているうちに皇室典範がまだなかった時代の激しい権力争いや人間模様、それに付随する怖れの極地を思わざるを得なかった。民衆の間では以前から御霊会が行われていたようであるが、時の朝廷が失脚させた相手の祟りを怖れ御霊会を行ったことは『日本三代実録』貞観五年五月廿日条に初めて記載されたそうである。疫病や人を死に追いやった祟りを怖れ御霊会を催して癒したのであろう。

山﨑さんの丁寧な解説に平安初期の血で血を洗う権力闘争とそれに慄く権力者の畏怖の念を垣間見た思いであった。複雑な天皇の関係図には正直頭が混乱してしまったが、久しぶりに日本の歴史に思いを馳せた講座であった。

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講座終了後は、立教大学のクリスマスツリーが点灯していることを期待しながらセントポールズ会館を後にしたが、時間的に少し早かったせいかまだモミの木は煌いておらず残念!

その後、池袋駅近くのお店で「忘年会」 山﨑さんに「大学教授になればよかったのに」とエールが送られ、歓談のひと時も楽しい二期の会でした。

                       (世話役:福田・秋吉・小杉 記 小杉)