1月講演会の演題は「芸者とはなに?」
専門分野(中世、近世の文学、美術、文化の研究)の授業や研究の傍ら、机上の研究のみならず、実社会での日本文化の記録、保存、発信に取り組んでいる安原眞琴氏を講師に迎え、最後の吉原芸者:四代目みな子姐さんの映像記録の上映会として開催した。
・実施日:1月29日(金)13時15分~14時45分
・場所:立教大学:セントポールズ会館2階
(講演の概要)
江戸(東京)で公に芸者と呼べるのは、吉原遊廓にいた吉原芸者(廓芸者)のみであり、その芸者は「色恋」から最も遠い存在であった。吉原に来た旦那衆は、遊女屋に行く前に、引手茶屋というお座敷にあがった。この江戸時代から続く遊廓のしきたりが、吉原では戦時中までは続いており、芸者はその茶屋(お座敷)で芸のみを披露する存在だったのである。
遊廓には一流の遊客が来るので、どのような芸でもできる芸域の広さと、耳の肥えた遊客を満足させるだけの、芸の奥深さを兼ね備えていなければならなかった。そのため、何年もかけて毎日稽古をして、三味線、鼓、太鼓、唄などの、すべての芸の試験に受からなければ、廓芸者にはなれなかった。
現代における芸者の意義は日本独特の芸術の稀有な継承者である点にある。現在、安原氏は「祇園花街プロジェクト」にて京都祇園の映像記録を製作中(2016年冬完成予定)。京都の花街で最も歴史のある祇園甲部のお茶屋さんを通して、祇園及び日本文化の真髄と直面する問題を発信していく予定。(予告編視聴)
乞うご期待!
【安原眞琴氏のご紹介】
・立教大学兼任講師、東京生れ。文学博士。
・主な研究対象:日本の中世・近世の文学、美術、文化。
[講師]立教大学、法政大学、大正大学、NHK学園、東武カルチュアスクールなど。
[研究員]天台宗総合研究センター、日本時代劇研究所など。
[著書]『『扇の草子』の研究ー遊びの芸文』(ぺりかん社、2003年)、
『超初心者のための落語入門』(主婦と生活社、2009年)ほか多数。
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